レッドブルとフォード、2026年シーズン以降のF1に向けて提携

2026年シーズン以降のF1に向けてレッドブルとフォードが新たなパートナーシップを結んだ。
  • 2026年シーズン以降のF1に向けてレッドブルとフォードが新たなパートナーシップを結んだ。
  • レッドブルの2023年シーズン発表会がニューヨークで実施された。
  • 今季のレッドブルのマシンは「RB19」、搭載するパワーユニットは「ホンダRBPT」。
  • レッドブルのレースドライバー、マックス・フェルスタッペン。
  • レッドブルのレースドライバー、セルジオ・ペレス。
  • 今季、“サードドライバー”としてレッドブルに復帰したダニエル・リカルド(F1通算8勝、2014~18年にレッドブルで7勝)。
  • 左からフェルスタッペン、ペレス、フォードのジム・ファーリーCEO、レッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表、リカルド。
  • フォードのF1での実績等を示すリスト(フォード発表)。

2月3日、F1に参戦しているレッドブルが開幕約1カ月前となった今季2023年の“シーズン・ローンチ”(発表会)をアメリカ・ニューヨークにて実施。その席上、F1が次世代パワーユニットの時代に入る2026年以降に向けてのフォードとの新たな提携も発表された。

◆次世代パワーユニットの時代にフォードがF1“復帰”

レッドブル(ORACLE Red Bull Racing)の将来のパワーユニット(PU)に関してはいろいろな噂や憶測が飛び交っていたが、それが決着を見る格好になった。F1のPU規定が次世代のそれに移る予定の2026年シーズン以降に向けて、レッドブルはフォードと共闘。フォードにとっては20年以上ぶりのF1実戦復帰、ということになる。

発表会では「Red Bull Ford POWERTRAINS(レッドブル・フォード・パワートレインズ)」と読めるロゴが披露された。レッドブルおよび系列チームのアルファタウリは2026年シーズンから少なくとも2030年シーズンまで、フォードとレッドブル・パワートレインズ(RBPT=後述)によって生み出されたPUでF1を戦う。開発は2023年から始まるという。

フォードの発表資料によれば、フォードは13回のF1ドライバーズチャンピオン輩出と10回のF1コンストラクターズチャンピオン輩出を誇り、エンジン部門勝利数は歴代3位とされる(編注:1位フェラーリ、2位メルセデス、4位ルノー、5位ホンダ)。

◆2025年まではホンダとの提携継続が既決事項

レッドブルとアルファタウリは2021年まで(名実とも)ホンダのPUで戦っていた(レッドブルは2019年から、アルファタウリはチーム名がトロロッソだった2018年から)。ホンダは2021年限りでPU供給者/社としてのF1参戦活動は終了したが、2022年も実質的にレッドブルとアルファタウリへのPU供給を続けていたと考えていい状況だった。

2022年のレッドブルとアルファタウリのPU供給者/社の名は「レッドブル・パワートレインズ(RBPT)」。ホンダを“失う”2022年以降に向けてレッドブルが興したグループ会社だ。ホンダがRBPTを“技術支援”する、という関係が成立しており、F1の現PU規定が続く最終年とされる2025年シーズンまでの関係継続も2022年に正式決定した。そして今季2023年のエントリーリスト(昨年12月発表版)においてレッドブルとアルファタウリのPU名が「ホンダRBPT」に変化、という状況も確認されている。

2026年シーズンからの導入が予定される次世代PUに関して、レッドブルは一時、ポルシェとの話がかなりのところまで進展していたようだが、昨夏、破談になった。その後は2022年シーズンの絶好調を受けて、ホンダとの関係をさらに継続するのでは? という見方もできた。しかし、同じ頃にはフォードとの関係も噂になるなどしていた経緯がある。

◆ホンダにはアメリカの新陣営との共闘説が!?

一方のホンダについても最近、新たな噂が浮上している。F1への参戦を目指すと表明したアメリカの新陣営、米レース界のトップドライバーだったマイケル・アンドレッティ(F1参戦経験もあり)とキャデラックのプロジェクトにホンダが関わる、というものだ。

ホンダは(HRC=ホンダ・レーシングとして)2026年以降の次世代PUのマニュファクチャラー登録を済ませたことを公表済み。同時に、「現段階でそれが2026年以降もF1実戦に関与することを意味するわけではない」との意も明らかにしているが、2026年以降に向けてレッドブルがフォードと共闘すると決まった今、アンドレッティ・キャデラックとホンダの噂に現実味が増しもする…!?

なお、ホンダはレッドブル・グループとF1のPUに限らないモータースポーツ全般に関しての包括的提携を強めてきており、ドライバー育成等でも深いつながりができている。そういった関係が2026年以降を意識して変化するのか(しないのか)、これも今後の焦点のひとつになってくるかもしれない。

先のことはいろいろあるが、まずは2023年シーズン、レッドブルは「ホンダRBPT」なるPUを搭載するマシン「RB19」で覇権継続に挑む。レースドライバーはマックス・フェルスタッペン(2021、2022年ドライバーズチャンピオン)とセルジオ・ペレスで不動。昨季に続くコンストラクターズタイトルとドライバーズタイトルの2冠独占を狙っての戦いは、今月23~25日、バーレーン・インターナショナル・サーキットで開催予定のプレシーズンテスト(公式合同テスト)から本格化する。

(*今季のF1開幕戦バーレーンGPは3月3~5日の予定。なお、4月の中国GP中止に伴う代替レース設定等の動きは終息し、今季は当初予定より1戦減の全23戦となることがF1運営サイドから1月に発表されている)

《遠藤俊幸》

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