「サーキットベスト」を目標に開発された、ホンダの大型スーパースポーツモデル『CBR1000RR-R』。今回はそんなCBR1000RR-Rを、プロレーサーの丸山浩氏と「きょんちゃん」こと美音響華が試乗。その魅力を語り合った。
めちゃ軽っ!足着きも問題ありません!
丸山:今日はホンダの最高峰「CBR1000RR-R」を箱根で乗ってみよう。美音ちゃんは普段もスーパースポーツに乗ってるんだっけ?
美音:私は『CBR600RR』に乗ってて毎日通勤にも使ってます。
丸山:そんな美音ちゃんから見て1000RR-Rはどう?
美音:憧れてました。免許取るときから絶対にフルカウル乗りたい、大型に乗ろうと思ってたので。それでも自分にはハードルが高いなと思ってたところもありましたね。
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丸山:ちょっと跨ってみようか
美音:めちゃ軽っ!それに足着きも問題ありません!私は身長163cm&股下79cm。それに靴底3cmという感じですけど、拇指球くらいまで届いてます。ポジションは前傾がきつくて、まんまレーサーって雰囲気ですけど、これを公道でも乗れるというのは私にとっては憧れ。高速道路とかだと伏せてピャーっと行くと絶対気持ちいいと思います。
超高性能マシンは公道でも楽しめる?
丸山:エンジンをかけてみるよ。
美音:アクセルを煽ってみると思ったより最初はマイルドな排気音?でも、6000rpmより上で吠えるように豹変しますね。
丸山:2022年型で排気デバイスがちょっと変更になって、音をある程度制御するようにはなったんだけど、回すとやっぱり迫力あるね。ちょっと走ってきなよ。
美音:はーい!(ブォーン)。
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丸山:楽しそうに出ていったな。僕としてはこのクラスのマシンになると、公道だと性能的に一番おいしいところが速度的に出せないのでもったいなく思えてくることが増えてきたんだけど、若い子たちにはどう映るんだろう。あ、帰ってきたぞ。どうだった?
美音:楽しいです!霧が多くて2速止まりでしたけど、女性ライダーだったら晴れでもこんな走り方が多いはず。それでも楽しめます。特に霧があるのに路面は濡れていないといったこんな難しい状況の中ではクイックシフターが操作をとても楽にしてくれてました。
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丸山:RR-Rクラスになると僕でも箱根のワインディングで3速使うことはなかなかないよ。むしろ回転を上げて加速感と音を存分に楽しむためには1速しか使わないかも。シフトアップして回すと、すぐに危険速度になっちゃうからね。パワーモードはやっぱり一番抑えた3が良かったのかな?
美音:標準の2がちょうど良かったですね。あんまり下げると低速トルクがなくなりすぎて思ったように動かなくなっちゃいます。もうちょっとクイックに動きたいワインディングでは2ですね。雨だったら3。1だとトルク感も増しますし鋭さが出てきますけど、やっぱり公道ではオーバースペックですかねえ。
「RR-R」を乗りこなす満足感
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丸山:美音ちゃんとしてはRR-Rはどこまで使えそうかな?
美音:ツーリングやワインディングに使うのは十分ありですね。混雑した道路での通勤はちょっと厳しいかな。
丸山:ツーリングでもこのポジションは許せるんだ?
美音:どうやったら楽に乗れるか試しながら走っていました。一番楽だったのは腹筋と背筋にちょっと力を入れて背中を丸め、腕をちょっと曲げてやるとかなり楽になると思います。こういうマシンを見るときつそうとマイナスイメージが先行しがちですけど、いかにどう乗りやすくするか研究しながら乗るのも楽しいですよ。
丸山:僕は街乗り用としてはハンドルが低すぎ&幅広げすぎで、腹筋背筋に力を入れると言ってたけど、疲れてくると思い通りに動かなくなってきちゃうと思ってたんだよなあ。常に行くぞという気構えが必要なポジションという感じ。お腹の出たおじさんはどうするんだ?(笑)
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美音:これに乗るために自分磨きも必要と考えれば一石二鳥じゃないですか?(笑)。こんなかっこいいマシンに跨っている自分を想像してみてくださいよ。最高じゃないですか。「私を見て!」って言うために乗りたいです。
丸山:結局、RR-Rでは何が一番満足させてくれそうなのかな?
美音:すごいバイクという所有感と、そんなバイクで無事に走りから帰ってきたときの達成感ですかね。この2つだけで『私もすごい』と大満足できちゃいます。
丸山:サーキットイメージが強いRR-Rだけど、こうしてワインディングでも楽しませてくれる要素があるというのは、さすが最高峰だけあるのかな。純粋に公道ワインディングでの走りを楽しむだけなら、思う存分回せる250クラスが最適かもなんて最近思ってた僕だけど、1000RR-Rにはそんな魅力や憧れもあったんだね。新鮮な気持ちにさせてくれたよ。今日はありがとう。
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■5つ星評価(丸山)
HONDA CBR1000RR-R
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
コンフォート:★★★
足着き:★★★
オススメ度:★★★★
丸山浩|プロレーサー、テストライダー・ドライバー
1988年から2輪専門誌のテスターとして活動する傍ら、国際A級ライダーとして全日本ロード、鈴鹿8耐などに参戦。97年より4輪レースシーンにもチャレンジ。スーパー耐久シリーズで優勝を収めるなど、現在でも2輪4輪レースに参戦し続けている。また同時にサーキット走行会やレースイベントをプロデュース。地上波で放送された「MOTOR STATION TV」の放送製作を皮切りに、ビデオ、DVD、BS放送、そして現在はYouTubeでコンテンツを制作、放映している。また自ら興したレースメンテナンス会社、株式会社WITH MEの現会長として、自社製品、販売車両のテストライド、ドライブを日々行っている。身長は168cm。
美音 響華|愛称:きょんちゃん
音楽大学卒業後、音楽の仕事の傍ら、バイクに出会い大型二輪免許を取得。MOTOR STATION TVのオーディションを経て2輪、4輪、モータースポーツに関する情報を伝えるニュースキャスターを主に、ツーリングやサーキットイベントでも活躍。これからも様々なチャレンジを目指す女子ライダー。身長は163cm。