【スズキ スペーシア/スペーシアギア 新型試乗】呆れるほどの広さと利便性である…中村孝仁

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現行スズキ『スペーシア』に乗ったのは2018年のこと。その時も室内の広さや装備の充実さには目を見張った。4年たって改めて試乗したのは、マイナーチェンジが施されたから。と言っても性能面でアップデートされたわけではなく、コスメチェンジと装備のさらなる追加である。

まずはその部分から説明すると、コスメチェンジはフロントグリルの意匠変更。ほぼほぼクロームに覆われていたグリルが同じクロームの横バースタイルになったこと。一方の『スペーシアギア』ではインパネ、カラーなどに変更がある。

そして装備の変更では新たにスズキコネクトに対応した車載通信機を搭載したこと。SOSコールのボタンがルーフについたことが目新しい。と言ってこいつを使いたくないのは誰しも同じだが、こうした装備が標準化することでクルマはどんどん安全になっていくのだから歓迎すべきポイントではあると思う。

変化はないが「これで十分」なパワートレーン

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メカニカルトレーンに変化はないので、4年前に乗ったモデルとは基本的に同じはずである…のだが、4年という歳月はクルマ社会を大きく変えライバルたちもどんどん進化していく。普通に考えればこの歳月でクルマは性能的にも進化しているはずである。だが、そんな中にあって軽自動車の範疇では性能的な変化はほぼない。

基本的にターボ車は64ps、ノンターボ車は52psというエンジン性能に変化を与えることができないからである。スズキにはもっと非力なエンジンもあるが、スペーシアの場合すべてのモデルがハイブリッド車であるためモーターによる後押しに助けられて、特に非力と思うこともないし、一般的な都市部の走行ではこれで十分と思えてしまう。

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これがターボの付いたハイブリッド仕様になるとパワートルクともに大幅に増強されるうえ、加速時にはモーターの後押しがあるからさらに俊足である。実際スペーシアギアに試乗している時は楽々と流れをリードできるのはおろか、発進加速でも十分に他の車両を凌駕することが可能であった。

というわけで性能的な不満はないのだが、ノンターボ仕様の場合はエンジンに頑張ってもらう必要があることから、どうしてもアクセルを深めに踏み込んでしまう。すると、エンジン回転だけが先行してスピードが後からついてくるCVT独特の加速状態となって、どうもしっくりこない。これはもう宿命のようなものだ。日本の自動車メーカーはコンパクトに設計できることや、効率が良いことなどの理由でCVTを積極的に採用しているが、楽しい運転には正直全く不向きである。

それにしてもその広さ、便の良さに呆れるばかり

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ならば運動性能的により楽しいモデルに仕上げて欲しいと勝手な要求が頭をもたげるが、やはり軽自動車に求められる最大のポイントは使い勝手や広さ、それにランニングコストの安さなどであって、運転の楽しさや運動性能の良さなどは特にこのハイト系のワゴンに関しては全くと言ってよいほど求められていないから、そこはどうも期待してはいけない領域のようである。

ただ、だからと言って運動性能に不安があるかと言えばそんなことは全くなく、要するに普通に走り十分に快適である。今回は加えて万が一の時の緊急コールができるシステムまで加わったのだから、いわゆるツールとしての進化は顕著だとみるべきであろう。

今回の試乗車は上級グレードの「ハイブリッドX」。この仕様になるとサイドの電動スライドドアが標準装備になる。ロールサンシェードも付く。そして重要だと思ったのはチルトステアリングやシートリフターが装備されること。下級モデルではこの二つが付かないので、ドライバーが一人に限定される家族ならさほど問題ではないかもしれないが、ご両親がともに運転するケースなどでは、理想的な運転ポジションが取りにくいかもしれないから、やはり上級モデルをお勧めしたい。

それにしてもその広さ、便の良さ、呆れるばかりである。

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■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア居住性:★★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★
おすすめ度:★★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来44年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

《中村 孝仁》

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