米大陸横断の充電時間は2時間半---ポルシェ タイカン がギネス新記録

出力350kWの急速充電により22分でバッテリーの8割を充電

800Vのシステム電圧を備えた初の市販EV

前面空気抵抗を示すCd値は0.22

ポルシェ・タイカン のギネスチャレンジ
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ポルシェは1月28日、EVの『タイカン』(Porsche Taycan)がギネス世界記録に認定された、と発表した。途中およそ2時間半の充電時間で、アメリカ大陸を横断することに成功している。

◆出力350kWの急速充電により22分でバッテリーの8割を充電

今回のギネス記録は、2021年モデルのタイカンで行われた。EVでのアメリカ大陸横断を、最も短い充電時間で達成することを目指した。従来の7時間10分1秒の充電時間の記録更新が狙いだ。

タイカンは米国仕様の場合、出力350kWの急速充電に対応している。米国では、フォルクスワーゲングループ傘下の「ElectrifyAmerica」が急速充電ネットワークを拡充しており、ElectrifyAmericaの急速充電ステーションに立ち寄りながら、カリフォルニア州ロサンゼルスからニューヨークまでの2834.5マイル(約4562km)を走破した。

その結果、タイカンはギネス新記録となる2時間26分48秒の合計充電時間で、アメリカ大陸を横断することに成功した。タイカンをドライブしたウェイン・ゲルデス氏は、「出力350kWで初めて充電した時、わずか22分でバッテリー容量の82%を充電できた。これまでに運転したEVの充電性能を比較すると、タイカンは新基準を打ち立てている」と語っている。

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◆800Vのシステム電圧を備えた初の市販EV

タイカンは400Vではなく、800Vのシステム電圧を備えた初の市販EVだ。これは、タイカンのドライバーにとって、大きなメリットになるという。高出力充電ネットワークの直流(DC)を使った場合、5分程度でおよそ100kmの航続に必要なエネルギーをバッテリーに充電することができる(WLTPサイクル)。バッテリーの残容量が5%の状態から、80%まで充電するのに必要な時間は、最大充電出力270kWでの理想的な状態において、22分30秒。タイカンのドライバーは、自宅で最大11kWの交流(AC)で充電することができる。

今回のギネス記録の挑戦には、後輪駆動システムを備えたベースグレードのタイカンを使用した。同車には、2つのサイズのリチウムイオンバッテリーが用意されている。標準装備される「パフォーマンスバッテリー」は蓄電容量が79.2kWhのシングルデッキで、ローンチコントロールとオーバーブーストモード使用時に最大出力408psを発生する。今回のギネス記録挑戦車には、オプションの「パフォーマンスバッテリー・プラス」が装備されており、蓄電容量は93.4kWhの2デッキとなり、最大出力は476psに向上していた。

WLTPサイクルによる航続は、パフォーマンスバッテリー搭載車が最大431km、パフォーマンスバッテリー・プラス搭載車が最大484kmだ。どちらのバッテリー搭載車の場合も、0~100km/h加速は5.4秒で、最高速は230km/hに到達する。

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◆前面空気抵抗を示すCd値は0.22

他のタイカンモデルレンジと同様に、エントリーグレードのタイカンにも、カラーヘッドアップディスプレイと、最大出力22kWの充電容量を備えたオンボードチャージャーがオプション装備に含まれている。

エントリーグレードのタイカンでも、加速性能やスポーツカー特有のトルク、そして連続使用可能なモーター出力などの特長を備える。リアアクスルの永久励磁シンクロナスモーターの有効長は「タイカン4S」と同じ130mmで、パルス制御インバーターが最大600Aで作動する。ドライブアーキテクチャーには、リアアクスルの永久励磁シンクロナスモーターに加えて、2速トランスミッションが含まれている。

ベースグレードのタイカンには、モデルシリーズの他のバージョンと同じインテリジェントな充電マネジメントと優れたエアロダイナミクスを備える。前面空気抵抗を示すCd値0.22のエアロダイナミクス性能が、低いエネルギー消費量と長い航続に貢献する。ブレーキによる最高回生出力は265kW、としている。

《森脇稔》

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