新型登場!の前に、ホンダ「タイプR」の原点をおさらい【懐かしのカーカタログ】

ホンダ NSX R
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  • ホンダ NSX R、インテグラ TYPE R、シビック TYPE Rのカタログ表紙
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  • ホンダ・インテグラ TYPE R

年初の東京オートサロンで、カモフラージュのラッピングに包まれながらも新型『シビックタイプR』が姿を現した。そこで今回は、ホンダの「タイプR」の原点の3台を取り上げてみたい。

NSX-R(1992年11月)

ホンダ NSX Rホンダ NSX R

1990年9月にオリジナルの『NSX』が登場。その2年2か月後の92年11月に通称“タイプR”こと『NSX-R』が登場。「本籍はサーキット」と言われた同車は、標準車に対し120kgもの軽量化を達成。このためにバンパー、ドアビーム、エンジンカバー(メンテナンスリッド)などのアルミ化や、レカロ社製カーボンアラミドコンポジット・フルバケットシートなどを採用。リモコンミラーの省略なども。足回りは専用エンケイ製超軽量アルミホイールを装着した上で、スプリング、ダンパー、スタビライザーのバネレートをアップ、タイヤも専用化された。

ホンダ NSX Rホンダ NSX R

エンジン(C30A型DOHC VTEC)はECUの設定変更、ピストン、コンロッド、クランクシャフトなどの精度向上などを実施。NAながら280ps/30.0kgmを発揮し、ファイナルギヤレシオの引き下げ(4.062→4.235)で、Rならではの加速性能をモノにしていた。

専用で用意された当時のカタログの表紙はマットブラック地に大きなRをあしらったもので版型はベース車と同じ大判のものだった(なので本棚で保管するには通常のカタログより“ダボ”を1~2段動かす必要があった)。

インテグラ・タイプR(1995年8月)

ホンダ・インテグラ TYPE Rホンダ・インテグラ TYPE R

『インテグラ』のタイプRが登場したのは、1995年のシリーズのマイナーチェンジのタイミングでのことだった。赤いRと車名ロゴだけを配したシンプルなカタログの表紙の地色は白で、もちろんこれは“HONDA RA272”に由来するチャンピオンシップホワイト。実車ではほかにグラナダブラックパール、ミラノレッド、ボーグシルバーメタリックの計4色も設定。また3ドアクーペのほかに4ドアハードトップも用意された。

『NSX』に次いで設定されたタイプRは、リッター111psを叩き出す、赤いカムカバーの1.8リットルのDOHC VTEC B18C 96 SPEC.Rを搭載、スペックは最高出力200ps/8000rpm、最大トルク18.5kgm/7500rpm。専用のバルブ、ピストン&コンロッドなどを採用した。

ホンダ・インテグラ TYPE Rホンダ・インテグラ TYPE R

ベース車より車高を15mm下げ(トレッドは前後5mm拡大)、スプリング、ダンパー減衰力、スタビライザー径の強化、変更のほかにリヤのスプリングはプログレッシブレート化。サスペンションブッシュ類は硬度が約5.3倍という『NSX-R』用を採用するなどしている。

シビック・タイプR(1997年8月)

ホンダ・シビック TYPE Rホンダ・シビック TYPE R

3番目のタイプRがシビックに設定されたのは1997年8月。3ドアをベースとし、運動性能と走る楽しさを徹底追求(当時のニュースリリースより)したクルマで、搭載エンジンは1.6リットルのDOHC VTEC B16B 98 spec.Rで、185ps/8200rpm、最大トルク16.3kgm/7500rpmのスペックをもち、リッター115psを発揮した。最軽量のレースベース車の車重は1040kg。

高回転対応バルブシステム、吸排気抵抗の低減、圧縮比アップを始め、さまざまな技術を投入。“人車一体感”を高めるため、車高ダウン、低重心化、ハードチューニングサスペンションなどもポイントに。ショートストロークチタン削り出しシフトノブ、モモ社製ステアリングホイール(SRSエアバッグ内蔵)、レカロ社製バケットシートなども採用された。

初代のタイプR系では唯一、表紙にクルマの写真が用いられていたが、その表紙を含めてほとんどのカットが躍動的な走りのシーンなのも、このクルマの性格を表わしていた。

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《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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