国民的ハイブリッド車として親しまれてきたトヨタのコンパクトカー『アクア』が、2021年7月に10年ぶりのフルモデルチェンジを果たし、日本専用車として全方位で進化を遂げた。気になるのはやはりその使い勝手だ。
そこで今回は、ファミリーカーとしての実力を試すべく、旅エッセイストの国井律子さんと、カーライフ・ジャーナリストのまるも亜希子さんが新型アクアを徹底検証。ママ視点で見えてきた意外なアクアの魅力とは…!?
実用から趣味の世界までオールマイティに使える
まるも亜希子さん(左)と国井律子さん(右)まるも:国井さんはいつも大きなクルマに乗っているそうですが、今回の新型『アクア』どうでした?
国井:見た目はコンパクトなんだけど、ドアを開けて運転席に座ってみたら、想像以上に居住空間が広かったのがまず驚きましたね。
まるも:今はファミリーでもコンパクトカーを選ぶ人が多いんですよね。だから使い勝手や広さって、すごく大事なポイントになると思うんです。お子さんがいるファミリーならなおさら。
国井:後席はさらに広いですよね。私でも足を伸ばせるくらいスペースがあって。ウチには小学生の男の子がいるんですけど、いきなり背が伸びたりするじゃないですか。そうなっても全然大丈夫。
まるも:しかも後席の乗り降りがすごく楽なんですよ。シートバックのギリギリのところまでドアが開くから、頭をぶつけたり窮屈な格好にならなくてもいいんです。
国井:確かに。ドアを閉めても圧迫感がないですよね。外から見た以上に開放感があるなと思いました。あとは荷室も広いですよね。
まるも:子どもが大きくなると、クルマに載せる荷物も変わっていきますよね。
「子どもが大きくなると、クルマに載せる荷物も変わっていきます」とまるも亜希子さん国井:そうそう。最近は3歳の次男が自転車に乗り出したんですけど、子ども用の自転車なら積み込めちゃいそう。見た目以上に天井までの高さもあるし、高さを二段階に調節できるのも嬉しい。
まるも:フレキシブルに使えますね。
国井:私は海の趣味もなんですけど、雪の趣味もあるんです。後席を倒せばほぼフラットになってスノーボードみたいな長物も積めそうなところもいいなと思いました。
まるも:四輪駆動のE-Fourもあるから、雪山も行けちゃう。実用的な使い方から趣味の世界まで、コンパクトだけどオールマイティに使えそうですよね。
国井:後席もなんですけど、運転席の座り心地がすごくよかったんですよ。このまま仙台くらいまでなら余裕で行けちゃいそう。
旦那よりも頼りになるかも(笑)
「子どもが急に大きくなっても大丈夫」と後席の広さに驚く国井律子さん国井:しかも後席には1500Wのコンセントまで標準で付いているじゃないですか。これがあれば、子どもを連れてドライブしていても飽きさせないですよね。
まるも:スマートフォンやタブレットを充電したりね。
国井:そう。長距離のドライブだと子どもはタブレットで動画を見たりゲームしたりするから、充電がすぐになくなっちゃう。だからありがたいですね。子どもが飽きなければさらにあと300kmはいける。
まるも:このアクセサリーコンセント、非常時の電源ということなんですよね。これがあることでクルマとの付き合い方が一気に広がると思います。万が一の災害や停電の時には、自宅の電気製品も使えるんですよ。
AC100V/1500Wのコンセントが標準装備国井:最近は地震とか大規模な災害が多いですからね…。実は私、食料品の備蓄をしているんですけど、家の電気がもし使えなくなっても、アクアなら電子レンジで温かいごはんも食べることができるってことですよね。どれくらいの電気をまかなえるんですか?
まるも:ガソリンが満タンの状態なら約5日分(※1)使えるんですって。
国井:すごい!
まるも:長い延長コードを用いれば、アクアを電源にしながら家の中で電化製品を使うこともできますね。
国井:万が一の時にも役に立つ…旦那よりも頼りになるかも(笑)
※1 一般家庭が日常使用する電力量:1日あたり10kWh (家庭での1時間あたりの消費電力400W)として試算した場合。
気軽に「さぁ出かけよう」という気分になれる
トヨタ アクア Z 2WD(ブラスゴールドメタリック)まるも:改めてアクアに試乗してみたら、やっぱり運転のしやすさがさらに進化したなと思いました。
国井:すっぽりとおさまりが良いというか、自分の手足のように動かせる感じ。あとはやっぱり走っていても静かなのが驚きましたね。エンジンが掛かっても、あれ?今掛かった?って。
まるも:会話もしやすいし、余計な音や振動が少ないから長時間乗っていても疲れにくそうですね。
国井:走行モードがノーマルモード、「POWER+」モード、POWERモード、エコドライブモードと4つあって、全然表情の違う走りができるのもいいですね。私はやっぱり「POWER+」モードが好きだな。バイク乗りなのでエンジンブレーキを使って走るのが好きなんです。アクセルを離せばしっかり減速してくれる感じがダイレクトで楽しいですね。
まるも:「快感ペダル」ですね。モーターならではの回生をうまく使って、すごく自然に減速してくれるんです。車酔いしやすい子どもは多いから、加減速がスムーズなのはファミリーカーとしてすごく大切なポイントかもしれません。
「自分の手足のように動かせる感じ」と国井律子さん国井:燃費が33.6km/L(Z、GグレードのWLTCモード燃費)と聞いて驚きました。
まるも:お財布に優しいのは家計的に嬉しいですよね。
国井:燃費計を見たら航続距離が700km以上って表示されていて。東京から広島まで給油なしで行けちゃうってことですよね? こんなにコンパクトなのに。
まるも:そう。だから、日常使いだけだったらガソリンスタンドに行くのも月に一回くらいで良いかもしれないですね。この間、ママ友と話していたら「ガソリンを入れに行く手間と時間が惜しい」っていう話をしていて。
国井:ママは忙しいんです。
まるも:だから燃費がいいクルマは助かりますよね。
国井:ウチはお買い物に行くのもキャンピングカーを使っていて…。
まるも:えー!!
国井:燃費もそうなんですけど、お出かけするのに気合が必要なんです。だけどこのくらいコンパクトで運転もしやすいと気軽に「さぁ出かけよう」ってなりますね。しかも駐車支援機能の「アドバンスト パーク」があるじゃないですか。これはもう衝撃でした。「これが未来のクルマか!」って。
高度駐車支援システム「アドバンスト パーク」を試す国井律子さんまるも:お出かけ先の駐車場でもボタン操作だけで駐車してくれるし、白線がないような自宅の駐車場でも登録してしまえば駐車をアシストしてくれますからね。
国井:自宅のまわりはペンシルハウスが多くて、道幅も狭いんです。だから駐車する時だけ旦那にやってもらったりするんですけど、なんかそれも癪で。でもこれがあれば、駐車が苦手っていう人でも安心ですよね。
まるも:センサーもたくさん付いていて、前も後ろもクルマが見ていてくれるから、いざ駐車しようとした時に子どもがわめいたりしていても安心。安心感がある、っていうのもママのクルマ選びには大事なポイントです。
国井:カメラが写してくれるモニターの映像もきれいでした。画面が大きいから見やすくて。駐車が終わったあとに、ドヤ顔で「どうだ!ちゃんと駐車したぞ!」ってまわりをぐるっと見せてくれるのは、ちょっと可愛いと思いました(笑)
気遣いがすごいインテリア
トヨタ アクア Z 2WD(ブラスゴールドメタリック)まるも:新型になって、インテリアの質感や使い勝手が上がったのが印象的です。
国井:そう、コンパクトなんだけど安っぽくないんですよね。触れるところが柔らかかったり。シートの柄や座った時の包み込んでくれる感じとか、すごくいいなと思いました。
まるも:私はスイッチ類が使いやすいのがよかったな。エアコンやオーディオのダイヤルをちゃんと残していて、感覚的に操作できるのが嬉しい。最近はタッチパネルが多くなってきたけど、あえて使い勝手のために物理スイッチをデザインしているっていうところもいいですね。
国井:そう、気遣いがすごい。
まるも:内装のステッチも上品な感じで…女性ってステッチ、好きじゃないですか。
国井:確かに(笑)なんででしょうね。
まるも:そういう細かいところもアクアはちゃんとデザインされている感じがして。
国井:シート下のトレーには子どもの靴やサンダルを入れるのにもぴったり。スマートフォンを置くトレーなんかもあったりして。
トヨタ アクア Z 2WD(ブラスゴールドメタリック)まるも:小物入れや収納も時代とともに進化しているんですね。
国井:しかもナノイー(※2)まで付いているんですね。このご時世ですから室内の空気をきれいに保てるっていうのはすごくいいですね。
まるも:それもあるけど、子どもがいるとすぐ車内がくさくなるでしょう。
国井:(笑)お菓子を食べたり、汚れた靴を車内で脱いじゃったりね。
まるも:そうそう。
国井:ウチは男の子が二人だから、もっとくさいですよ。もうバイキンの塊みたいなものですから(笑)
まるも:少しでも清潔な空間で過ごせるっていうのは、ファミリーで使うクルマならではの嬉しいポイントですね。
※2 「nanoe(ナノイー)」= nano-technology + electric 最先端のテクノロジーから生まれた “ 水につつまれている電気を帯びたイオン” のこと。
「nanoe」、「ナノイー」および「nanoe」マークは、パナソニック株式会社の商標です。
生活のフットワークが軽くなるクルマ
国井律子さん(左)とまるも亜希子さん(右)国井:コンパクトで使いやすくて、車内は広くて荷物も積めるし、「POWER+」モードを使えば走りも楽しくて。装備も盛り沢山で、コンセントまで使えちゃう。しかも駐車支援機能もあるでしょう? 何だかもう至れり尽くせりですよね。
まるも:コストパフォーマンスはすごく良いですよね。自分や家族をサポートしてくれる相棒のような存在かも。
国井:コンシェルジュみたいな。アクアがあれば生活の質を、ワンランク上にあげてくれそう。
まるも:うん、生活のフットワークが軽くなるクルマ。
国井:今はキャンピングカーで子どもの送り迎えをしているけど…アクアならもうママチャリのように使い倒しますね。
まるも:国井さんなら、これでロングドライブでもどこでも行けそうですね。
国井:もちろん!今の季節なら家族を連れて広島まで行って、おいしい牡蠣を食べたいな。
まるも:燃費がいいから、ガソリン代が浮いたお金で旅先のグルメで贅沢するのも良いですね。
トヨタ アクア 詳細はこちら国井律子さん(左)とまるも亜希子さん(右)【プロフィール】
国井律子
1975年8月25日東京生まれ。旅のエッセイスト。玉川大学文学部芸術学科芸術文化専攻卒業後ラジオレポーターなどを経て二輪雑誌からエッセイストとしてデビュー。オートバイのほか旅、クルマ、サーフィン、アウトドアなど多趣味を生かしエッセイを執筆。著書に「放浪レディ」(求龍堂)、「アタシはバイクで旅に出る」(エイ出版)など多数。近著に「進化する私の旅スタイル」(産業編集センター)がある。
まるも亜希子
映画声優、自動車雑誌『ティーポ(Tipo)』編集者を経て、カーライフ・ジャーナリストとして独立。 現在は雑誌、ウェブサイト、ラジオ、トークショーなどに出演・寄稿する他、セーフティ&エコドライブのインストラクターも務める。04年・05年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。