【D1GP 第5戦、第6戦】ドリフトの聖地 エビス南で最後の開催、中村直樹が完全制覇で有終の美

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11月20日、21日に福島県のエビサーキットス南コースにて、コロナ禍で延期された第5戦、第6戦がD1GP 2021年シーズンの最終戦として開催された。

また、南コースは今後グラベル路面の低μ路ドリフト練習コースへ改修が予定されており、現在の南コースでのD1の開催は今回が最後で最終走行日も11月末までとなる。今後のエビスサーキットでのD1開催は西コースへと移行が予定されているが、ドリフトしながらジャンプしてコーナー進入するエビス名物の“ジャンプドリフト”は見納めとなるので、最後のエビス南を楽しみに多くの観客が会場へと足を運んだ。

【第5戦】末永直登が8年ぶりの優勝、そして中村直樹がシリーズチャンピオンを獲得!

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第5戦の1番の見どころはシリーズのタイトル争い。今シーズン3勝で首位に立つ最有力候補の中村選手、中村選手を29ポイント差で追いかける横井選手との一騎打ちとなった。ただし、第5戦での最大獲得ポイントが29ポイントとなるため、早ければ第5戦でチャンピオンも決定する。中村選手がそのまま逃げ切るのか、横井選手や3位の高橋選手が逆転するのか―注目が集まる中、最終戦がスタートした。

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まず、単走では高い平均車速と第5セクターの安定した角度、そしてゾーンもキッチリと通過した横井選手が99.22ポイントで首位を獲得。中村選手は3位に食い込むが、一歩及ばずの結果なった。さらに単走優勝で横井選手は4ポイントを獲得。決勝となる追走トーナメントでの戦いに逆転チャンピオンへの望みをつなげた。注目選手である川畑選手は残念ながらセッティングが決まらず、ウォールにヒットしてしまい単走敗退が決定した。

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しかし、横井選手はベスト8の対戦で末永(直)選手に敗北、一方で中村選手は末永(正)選手と対戦するが1コーナーに突っ込んで車が浮き上がるほどの大クラッシュ。結果的に末永(正)選手の走路妨害と判定が下され、中村選手のシリーズチャンピオン獲得が決定した。

ただし、ベスト4の対戦には中村選手は車両も修復しなければならない危機的な状況。幸い中村選手の体にも大きな怪我はなく、ギリギリ走行できるレベルで車両の修復も完了。中村選手は目桑選手と対戦するが、車両のコンディションからもベストな走行はできず目桑選手が決勝へと勝ち上がった。

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ベスト4ではエビスサーキットが本拠地である、小橋選手と末永(直)選手のチームメイト対決が実現。しかし、小橋選手が後追い時にミッショントラブルによってリタイヤとなってしまった。決勝は目桑選手と末永(直)選手が対戦。ともに後追いのポイントでは差がつかなかったが、目桑選手の先行時のフラつきによる減点によって、末永(直)が8年ぶりの優勝を獲得した。

【第6戦】中村直樹がライバルの小橋正典を倒して優勝!単走チャンピオンも獲得

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シリーズチャンピオンは中村選手が獲得したが、単走シリーズのチャンピオン争いは最終戦の順位で決定する。前日に単走優勝を果たした横井選手は、さらに点数を伸ばしてエビス戦2連勝を果たす。中村選手も前日のクラッシュの影響が残る中3位に食い込む走りを決めて、単走シリーズのチャンピオンも獲得したことでダブルタイトルが決定した。

追走トーナメントでは、奥伊吹でデビューしたルーキーの秋葉選手が初めて追走へ進出するサプライズがあったものの、ベスト8には単走上位選手が揃って進出する順当な展開となった。注目のトーヨー勢では藤野選手がベスト8へと進出。しかし、ベスト8では中村選手と対戦しここで敗退となった。

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ベスト4では横井選手と小橋選手が対戦。チャンピオン経験者らしいハイレベルな接近戦が繰り広げられたが、横井選手が後追い時にスピンアウトで小橋選手に軍配があがる。続いて、中村選手と目桑選手が対戦し、目桑選手が後追い時にハーフスピンしてしまい中村選手が勝ち上がる。

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決勝戦は中村選手と小橋選手の因縁の対決。この2人はD1の下部リーグに当たるD1ストリートリーガル(現:D1ライツ)時代からのライバル。そして、中村選手も小橋選手を倒して優勝することを目標として公言しており、中村選手の望んだ戦いが最終戦の決勝戦として実現するドラマチックな展開に。

1本目は小橋選手が先行。中村選手は前半のセクションでは近い距離に食い込みアドバンテージを獲得。入替の2本目では中村選手が先行でスタートし、小橋選手の走行にミスが出たことで中村選手が優勝を獲得。小橋選手の独壇場だったエビス南で、中村選手が念願の勝利を獲得してチャンピオンに華を添えた。

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来シーズンでは使用されるタイヤの大幅なレギュレーション変更が予定されており、現状よりも大幅にグリップ力が落とされる見込みだ。これはタイヤ性能の均一化とタイヤグリップに依存したパワーウォーズへの対応策としての対策である。具体的にはタイヤの転がり抵抗の数値が基準化され、グリップ力を両立した専用タイヤの開発が各タイヤメーカーで必須となる。激戦が予想されるタイヤ戦争、さらには1番人気のTeam TOYO TIRES DRIFTチームの逆襲など、2022年シリーズのD1開幕に早くも期待が高まる。

《後藤竜甫》

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