ジャガーの名車『Eタイプ』12台をフルレストア、2台ペアでの購入が前提…誕生60周年を記念

Eタイプは1961年のジュネーブモーターショーで発表

クーペとロードスターを2台ペアで販売

3.8リットル直列6気筒エンジンも50年ぶりに生産

5速MTや冷却性能を改良

ジャガー Eタイプ 60コレクション
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ジャガーカーズ(Jaguar Cars)は3月12日、ジャガー『Eタイプ60コレクション』を発表した。名車『Eタイプ』が3月15日、誕生60周年を迎えたことを記念して、Eタイプ60コレクションと命名された、クーペとロードスター、2台ペアのEタイプを6セット(合計12台)、フルレストアし販売する。

Eタイプは1961年のジュネーブモーターショーで発表

ジャガーEタイプは1961年3月、スイスで開催されたジュネーブモーターショーで初公開された。ジェット機から着想を得た先進的なボディラインと、最高速241km/hを発揮する性能は、1960年代のハイパフォーマンスカーにおける新たなベンチマークとなり、当時を象徴するスポーツカーとなった。

オリジナル車両の「シリーズ1」の製造時期は、1961~1968年。直列6気筒ガソリン自然吸気エンジンは、排気量が3781ccで、最大出力は265hpを獲得していた。トランスミッションは4速MTで、後輪駆動。前後ともにサーボアシストブレーキを備えており、0~96km/h加速7秒、最高速241km/h の性能を誇った。
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Eタイプの人気は高く、スティーブ・マックイーン、ジョージ・ベスト、ジャッキー・スチュワート、ブリジット・バルドー、フランク・シナトラといった多くの有名人たちがオーナーとして名を連ねた。Eタイプのレーシング・モデルは、グラハム・ヒル、ジャッキー・スチュワート、ロイ・サルバドーリ、ブリッグス・カニンガムといったドライバーたちによって、その名を広め、成功を収めた。オリジナルの発売から、およそ60年を経た現在でも、Eタイプは人々を魅了するロードカーであり、レースの勝者と評されるモデルだという。

クーペとロードスターを2台ペアで販売

ジャガーカーズは、このEタイプが2021年3月15日に誕生60周年を迎えたことを記念して、Eタイプ60コレクションと命名された2台ペアのEタイプを6セット(合計12台)、フルレストアし販売する。2台のEタイプは、最も有名なEタイプとされる「9600 HP」と「77 RW」。両車は、1961年のジュネーブモーターショーでデビューした最初のEタイプであり、ガンメタルグレーの9600 HPがクーペボディ、ブリティッシュレーシンググリーンの77 RWがオープンボディの「ロードスター」だった。

Eタイプ60コレクションをフルレストアするのは、ジャガー・ランドローバー・クラシックだ。ジャガー・ランドローバー・クラシックは、スペシャル・オペレーションズに属する1部門であり、世界中のジャガーとランドローバーのクラシックモデルの顧客やファンに向けて、車両、サービス、パーツ、エクスペリエンスの提供を行っている。

英国コベントリーにあるジャガー・ランドローバー・クラシックの本部では、熟練したエンジニア、若手エンジニア、そして実習生を含むチームが、両ブランドのクラシックカーのレストアなどに従事。「NEW ORIGINAL(新しくありながらオリジナルに忠実)」な特別モデルにも携わっている。

3.8リットル直列6気筒エンジンも50年ぶりに生産

Eタイプ60コレクションのパワートレインは、オリジナル同様、3.8リットル直列6気筒ガソリン自然吸気エンジンとなる。ジャガーカーズは、Eタイプを含む1950~1960年代のジャガー車に搭載されていた3.8リットル直列6気筒エンジンのエンジンブロックを、およそ50年ぶりに生産する。

ジャガーカーズの旧車部門のジャガークラシックが、当時の資料などを元にして、鋳鉄製エンジンブロックを正確に再現する。「XK」と呼ばれる3.8リットル直列6気筒ガソリンエンジンは、1958~1968年にかけて製造された『XK150』、『XK150 S』、『MkIX』、『Mk2』、『MkX』、Eタイプのシリーズ1と『Sタイプ』に搭載されていた。

Eタイプ60コレクションは、クーペがフラットアウトグレー、ロードスターがドロップエブリシンググリーンで塗装される。この2色は、1961年のオリジナルモデルから着想を得ており、他のジャガー車では使用されていないという。

5速MTや冷却性能を改良

5速MTはシンクロメッシュ、ヘリカルカットギア、強化された鋳造アルミ製ケースにより、信頼性と耐久性を向上させた。ギア比も近くなり、シフトチェンジがスムーズに行えるという。強化された冷却システムなど、使いやすさと運転性を向上させるための改良も施された。また、ナビゲーションとBluetooth接続が組み込まれた「ジャガークラシック・インフォテインメントシステム」も装備される。

さらに、各車のセンターコンソールには、アーティスト兼デザイナーのキング・ナード氏による、英国コベントリーからスイス・ジュネーブまでの走行ルートを記したプレートが装着される。それぞれの作品は、顧客と相談して、手作業で100時間以上かけて完成させるという。

これは60年前のオリジナルのEタイプの発表の際、1台のみの実車(クーペ)への試乗希望がメディアから殺到したために、ジャガーのテストドライバーのノーマン・デュイス氏が急遽、2台目の試乗車(ロードスター)をコベントリーからジュネーブまで、ひと晩で送り届けたことに由来する。

なお、Eタイプ60コレクションは2台ペアでの購入が前提であり、1台のみでの購入はできない。2022年の夏、6人の顧客とそのゲストは、英国コベントリーからスイス・ジュネーブへのドライブツアーに参加して、それぞれがEタイプとの思い出を作る、としている。

《森脇稔》

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