【プジョー 3008 試乗】プジョーが1クラス上を狙いにきた…中村孝仁

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プジョー 3008 GTライン
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プジョーが満を持して投入したといっても過言ではない、『3008』にようやく乗ることが出来た。FWDでありながら、4WD並とは言わないまでも、かなりの走破性を持つこのクルマの試乗は、南アルプスの大自然に囲まれた場所で行われた。

今回試乗したのは「GTライン」と呼ばれるいわゆる豪華装備の上級モデル。それも限定180台のデビューエディションと呼ばれるモデルだ。エンジンはガソリンの1.6リットルターボ。実は後発でディーゼル搭載車が導入されることは既に公表済み。そんなわけでGTラインのガソリン仕様はこの限定モデルのみで打ち止めとプジョー側では考えていたようだが、ふたを開けてみればあっという間の完売ということで、少し考え直すようである。

因みにアクティブクルーズコントロールなどが付かない、「アリュール」にも限定のデビューエディションが80台用意されていたが、こちらも完売ということで、3008の立ち上がりは上々である。

既に『2008』でも設定されていたグリップコントロールと称するエンジントルク&ブレーキ制御による走行制御機構。トラクションコントロールをさらに細かい制御によって走破性を高めるもので、2008の時はこれにグッドイヤー製のベクターと称する、スノーでも行けると言われるオールシーズンタイヤが組み合わされていた。だが、今回はグッドイヤーに変えて、コンチネンタルのオールシーズンがチョイスされている。いずれにしてもかなり走破性に自信を持っているらしく、敢えて南アルプスの山中は富士川の河川敷に、スペシャルのオフロードコースを設定。そこを体験するコースも含まれていた。

というわけでまずはグリップコントロールのマッドモードをチョイスして、この河川敷のオフロードを走ってみた。都合よいことに試乗当日は雨。撮影は大変だがグリップコントロールの威力を試すには絶好。結論から行くと175mmもある地上高のおかげもあって、かなりのオフロードは走行可能。また、4輪のうち2輪が浮き上がるような状況でも、十分に脱出可能なことが確認された。ヒルディセントコントロールがかなりの威力を発揮することも確認できた。

ただ、新しい3008の活躍の場はここではないと思えた。とにかく、これまでのプジョーとは明らかに一線を画す上質感が室内外に漂う。ユニークな形状のシフトレバーでDをチョイスして、オンロードに繰り出してみた。路面は山道にもかかわらず比較的良好だが、それでも素晴らしい静粛性を感じ取ることが出来るということは、遮音効果が従来のプジョーと比較して一段階上になったことは間違いない。それにコネクティビティーやセイフティーデバイスの充実も、おやっ?これフランス車か?というレベル。まあ、ACCが付いていて、しかも全車速対応だというのに、再発進が出来ず車両が止まるとキャンセルされてしまうというオチは付いているものの、これは既に対策を始めているそうだから、次に期待したいと思う。

室内はかなり広くて快適だし、ラゲッジスペースの容量も十分だから、MPVとしての機能性も高そうだ。

肝心の走りであるが、オフロードについては前述した通り。そしてオンロードは小径ステアリングによる、修敏な動きが印象的だった。元々プジョーのステアリングフィールは正確無比で、その点では個人的にはドイツ車を凌駕すると思っているが、3008のハンドリングも実に洗練されていて、個人的には好みのものであった。俊敏と言ってもナーバスになるようなものではなく、切ったら切ったなりにきわめて正確にクルマの向きを変えてくれる。

その質感といい、装備といい、さらには走りといい、3008はプジョーの新時代を語るに十分な資質を持つクルマだと思う。同時にプジョーがひとクラス上を狙いに来ていることも感じさせる。

■5つ星評価
パッケージング ★★★★★
インテリア居住性 ★★★★★
パワーソース ★★★★
フットワーク ★★★★
おすすめ度 ★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、その後ドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来39年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。
《中村 孝仁》

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