【BMW 740e 試乗】4気筒サウンドは気になるが、やはり「何も言えねえ」…中村孝仁

試乗記 輸入車

BMW 740e iパフォーマンス
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『7シリーズ』にプラグインハイブリッドが追加されたと聞いて、すぐにでも乗ってみたかったのだが、最初の試乗会に予定が合わず、改めて借用して乗ってみることにした。おかげで、かなりの長距離を走ることが出来、その良さを味わった。

実は、PHEV追加ということは知っていたのだが、そのクルマに対する予備知識はゼロ。BMWの本社がある東京駅近くのビルから乗り出して、最初にエンジンがかかった時に、あれっ?という感じの違和感があった。それはどう考えてもこのクルマに似つかわしくないエンジンサウンドが、比較的しっかりとした音で耳に届いたからである。

帰宅して勿論、『740e iパフォーマンス』について調べたのは当然こと。そして初めて4気筒エンジンを搭載している事実を知った(遅い!)。非常に勝手な思い込みで、例えPHEVでも組み合わせるのは直6だろうと高をくくっていた。それが違和感のあるエンジンサウンドを聞いて4気筒だと知ると、今時のLクラスカーでも4気筒を積むんだ!と感心したものである。そういえばメルセデス『Sクラス』も4気筒あったよな…と今更ながら最新4気筒の凄さを思い知った次第。

740eの4気筒は、『3シリーズ』などに搭載されているのと基本的に同じ2リットル258psのツインパワーターボユニット。これに8速ATに内蔵されたモーターを組み合わせ、システム総出力は326ps、総トルクは500Nmに達する。BMWのハイブリッドシステムは、最初にバッテリーが持つ電気を使い、その後にエンジンが回ってアシストするタイプで、それはPHEVになっても変わらないようで、Auto e Driveというデフォルトの走行モードにした場合、やはり最初に電気を使って走るようにできているようだった。電気のみで走りたい場合は、Max e Driveというモードを選択すれば、9.2kWhのリチウムイオンバッテリーから供給される電気で、最大42kmのゼロエミッションドライブが出来る。そして Battery Controlモードを使えば、エンジンがジェネレーターの代わりをしてバッテリーに充電をする。充電量はドライバーが最大100%まで任意に設定できる。

我が家に充電施設がないため、バッテリードライブを楽しむ目的で比較的頻繁にこのBattery Controlモードを使って走っていたが、それでもおよそ400kmほど走行した平均燃費は11km/リットルを超え、このサイズのモデルとしては異例なほど高燃費を示したのである。因みにJC08モード燃費は15.6km/リットルだというから、挑戦すれば達成できない値ではないような気がした。

500Nmの最大トルクと326psは伊達ではない。ご存知の通り、モーターの特性は回り始めてすぐに最大トルクを発揮する。そしてデフォルトの走行モードで走る限り、アクセルを目いっぱい踏めば、ガソリンエンジンと電気モーターが束になって仕事をしてくれる。そんなチャンスが一度だけあった。その時の加速感、こいつ、ただ者ではないな感がひしひしと伝わる加速を示してくれたから、最初に感じた4気筒エンジンの違和感あるサウンドのことなどすっかり忘れて、有り余るパフォーマンスを堪能したものである。

乗り心地の良さは、自動車に全く疎い女性にもわかるようで、親戚の女性を乗せたら、後からものすごい快適な乗り心地だった、と言ってきた。やはり自動車の世界には厳然とヒエラルキーが存在し、高いお金を出せば快適な空間とずば抜けたパフォーマンス、それに先進のデバイスが提供されることを思い知った。とりわけ、最新の安全デバイスと半自動運転に関するデバイス、ACCは、今やCセグメントのモデルにもついているような装備だが、Lクラスカーのそれと、Cセグあたりのクルマにつくそれでは明確に質の差があって、ブレーキに掛け方から加速に仕方までまるで異なる気持ち良さを提供してくれる。

そしてこれだけ大きな図体を持つにもかかわらず、全くその大きさを感じさせない運動神経の良さが、快適さとともに提供されているのだから、やはり「なんも言えねぇ」と白旗をあげざるを得ない。

このクルマを返却して我が家のクルマに乗った時、ああ、カボチャの馬車だったのね…と感じたものである。

■5つ星評価
パッケージング ★★★★★
インテリア居住性 ★★★★★
パワーソース ★★★★★
フットワーク ★★★★★
おすすめ度 ★★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、その後ドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来39年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。
《中村 孝仁》

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