【レンジローバー イヴォーク コンバーチブル 試乗】オープンSUV、これはこれでアリかも…中村孝仁

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レンジローバー イヴォーク コンバーチブル
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セダンとして使える4ドアモデル、クーペ、スポーツモデル、ミニバン風3列シート車。無かったのは今までコンバーチブルだけだ。それがランドローバーというブランドである。

コンバーチブルが無いって?いや、『ディフェンダー』があったじゃない。と突っ込みを入れられるかもしれないが、ラグジャリーな電動トップを持ったSUVなど、これまで誰も想像しなかっただけに、この『イヴォーク』が最初だと思うわけである。つまり、ランドローバー社としては、SUVというジャンルに特化しながらも、その範疇においてあらゆるジャンルの車種を取り揃えてしまおうという壮大な計画(それほど大袈裟でもないか)があったのだろう。とにかく、何故SUVでコンバーチブル?という疑問符は乗るまで付きまとっていた。でも、いざ乗ってみるとこれはこれで有りかな?と思う。

どう有りなのかというと、これまでコンバーチブルといえばセダンベースもしくはスポーツカー、あるいはクーペベースだから、とにかく目線が低い。そこへ行くとこのイヴォーク、コンパクトながらもSUVである。というわけで他のオープンモデルと比べて文句なく目線が高い。これより高くて屋根が開くモデルは、日本市場で探すと恐らくジープ・『ラングラー』だけだろう。

ラングラーはズバリ、タフガイの乗り物。性格が丸くなったとはいえ、結構ワイルド。そこへ行くとイヴォークは上品で性格も穏やか。そしてラグジャリーでフル電動のトップはものの20秒(正確には21秒)もあれば開いてくれる。しかも走行中でもOK(48km/h以下)ときた。低いオープンだと、ミニバンあたりからでも中を覗かれている感覚があったものだが、これからそんなことは一切気にすることなくオープンエアモータリングが楽しめる、というわけで有りなのだ。

ボディはかなり剛性アップを果たしているのか、ほぼあらゆる路面状況でみしりともしない強固さを見せる。考えてみればSUVだからオープンのままラフロード走行だって想定しなくてはならないわけだから、ターマックでガタピシしていたのでは話にならないわけだ。それに囲まれ感が非常に高く、コマンドポジションという独特のドライビングポジションを採用していたはずのレンジローバーとは趣がだいぶ違う。しかし、コンバーチブルの場合、この感覚はむしろ歓迎だった。

エンジンは既存のイヴォーク同様オールアルミ製2リットル直4ターボユニット。これにZF製の9速ATを組み合わせたドライブトレーンを持つ。車重はさすがに重く、4ドアの最も重いモデル(1790kg)と比較しても2020kgと230kgも重い。恐らく乗り比べてしまえば全体的な加速性能などは見劣りするのかもしれないが、普通に乗る分には何ら痛痒を感じない。ZFが初めて作った横置きATである9速は、まだまだ発展途上にあり、時々思わぬショックを伴うことがあるが、全体的に見れば進化は着実に進んでいて、街中や高速で流れに乗って走る分には極めてスムーズであった。

オープンエアモータリングは快適そのもの。高速上でも速度制限内では全く風の巻き込みは感じられず、これならば高速でのオープン走行も快適そのものである。ただし、後席はこの限りでないはず。風切り音の問題も全く気になるレベルではなく、走行音でウィンドノイズがかき消されるレベルである。

クローズ走行も試してみたが、やはり締めてしまえばそこには快適な空間が広がる。吸音材を裏張りしたソフトトップだが、静粛性は十分だ。一方でオープン時には気にならなかった閉所感があることも否定できない。特に後方視界は固定式のヘッドレストの影響もあって、最小限にとどまる。

車両価格は同じグレードの4ドアモデルと比較して59万円高。税込765万円だ。とはいえ、試乗車はオプションがこれに119万4000円上乗せされる。しかもその中にはキーレスエントリーや電動シート、そしてどうしても欲しいアドバンスドドライバーアシスタンスパックなどが含まれる。勿論ACCなどもオプションだから、裸の車両はほぼ素の状態で何もついていない。クルマは高くなったと実感せざるを得ない。

■5つ星評価
パッケージング ★★★★
インテリア居住性 ★★★★
パワーソース ★★★★
フットワーク ★★★★
おすすめ度 ★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、その後ドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来38年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。
《中村 孝仁》

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