【トヨタ プリウスPHV 試乗】EV航続距離もPHVとしての魅力も一気に倍増…青山尚暉

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トヨタ プリウスPHV
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今冬発売予定の『プリウス』のリーディングカー、『プリウスPHV』の新型プロトタイプに試乗した。

新型プリウスPHVはまず先代と違い、標準型プリウスとデザインで差をつけている。先代PHVユーザーにしてみれば、内外装ともにほぼ同じデザインゆえ、値段はずっと高価なのに「PHVに乗ってます感」がほとんどなかった不満があったはずだ。

新型の違いは16個のLEDを持つトヨタ初採用のアダプティブハイビームを備えた顔つき、カーボン製で約40%の軽量化を果たしたリヤダブルバブルウインドーなど多岐に亘る。何しろ前後オーバーハングまで標準型プリウスとは違うのである(F+25mm、R+80mm)。

しかし最大のハイライトはPHV性能の比較的向上だ。モード燃費は先代の31.6km/リットルから37.0km/リットルが目標値。

ラゲッジ下に積まれるリチウムイオンバッテリーは4.4kwから8.8kwに増強。さらにデュアルモータードライブとして、ふたつのモーターを駆動用としてフル活用。先代も2モーターだが、ひとつは発電用であり、駆動にはかかわらなかったのである。

結果、EV走行可能距離はトヨタの車内測定値で26.4kmから60km以上へ。EV最高速度は100km/hから135km/hに向上。実質的なEV走行可能距離はバッテリーの状態にもよるが、約40km程度と見ていい。先代の200V充電後のEV走行距離は19km程度と表示されていたから、ほぼ倍である。これならかなり実用的にEV走行を行える。

ただし、バッテリー倍増によって車重は150kg程度重くなり、また後席独立2座の4人乗りになり、ラゲッジフロア高は日本仕様プリウスのパンク修理キット仕様に対して約16cmも高まっている。

もっと細かいことを言えば、後席格納時の拡大ラゲッジフロアは、標準型プリウスでは後席部分が約10cm高く段差があったものが、PHVでは約11cm下がっている。いずれにしても、先代プリウスのような、後席格納時の完全フラットフロアは標準型プリウス、PHVともに期待できない。

PHVユーザーにとって、先代の充電環境は決して良くなかった。しかし新型は100V、200Vのふたつの普通充電/急速充電インレットを完備。急速充電なら約80%充電が約20分で行え、たとえ自宅に急速充電機能がなくても、一般回路で14時間かければ100V/6A充電が可能。200V/16Aでは2時間20分と早い。高速道路のSAなどでの充電、スマホと連携したタイマー充電、エアコン連動充電も可能だ。

そんな新型プリウスPHVを袖ケ浦のショートサーキットで走らせた。一般公道とはまったく違う路面、道路環境ゆえ、今回は限定的なインプレッションでしかないが、ピットからのゼロスタートでは、標準型プリウスより明らかにトルキーでスムーズに加速を開始。乗り心地は標準型プリウス比約150kgの車重増もあって、よりストローク感あるマイルドな乗り心地を披露してくれた。

しかしもっとも驚いたのがEV走行領域。サーキット走行でEVモードに入れるとすぐにエンジンがかかる…と思ったのだが、大間違い。135km/hまでOKということはともかく、ある意味アクセルもスイッチであり、深く踏み込むとEV走行からエンジン走行に切り替わって当然なのだが、新型プリウスPHVは何とそうではない。80km/hあたりからアクセルをスムーズに踏み込んでグィーンと伸びやかに加速してもEV走行が維持されたりするのだからびっくりである。

ちなみにエンジンがかかり、高回転まで回したときに耳に届くエンジンの音質、ボリュームは標準型プリウスとほぼ同じ。高額車なのだから、もう少し遮音、吸音に気をつかってもいいように思えた。

これはプロトタイプ、サーキット走行ゆえの事柄と理解したいが、タイヤの銘柄によってグリップレベルにけっこうな差があったことも報告しておきたい。

いずれにしても、新型プリウスPHVのPHV性能はハンパじゃない。世界初のソーラー充電システムを含め、地震大国日本における給電車としての実力もさらに高まっているのだから心強い。

あとは今後発表されるであろう価格。先代はGグレード基準で標準型プリウスの約70万円高だったが、同等程度に収まれば、デザイン性、PHV性能の比較的向上からすれば買い得と思える。実用面では最大4人乗車を不便と感じるか、後席2名掛けをぜいたくな居住感覚と考えるかで、結論は違ってきそうだが。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★
ペットフレンドリー度:★★

青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー
自動車専門誌の編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に寄稿。自作測定器による1車30項目以上におよぶパッケージングデータは膨大。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、イベントも手がけ、犬との快適・安心自動車生活を提案するドッグライフプロデューサーの活動も行っている。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。ムック本「愛犬と乗るクルマ」(交通タイムス社刊)好評発売中。
《青山尚暉》

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