スズキは12月17日、大型二輪『Vストローム』のワイヤーハーネスに不具合があるとして、国土交通省にリコール(回収・無償修理)を届け出た。
対象となるのは、スズキ『Vストローム』1車種で、2014年5月20日から9月19日に製造された1023台。不具合の状況と原因は3種類。
1つ目は、イグニッションスイッチリード線とワイヤーハーネスを接続するカプラの構造が不適切なため、当該カプラ内部の端子が、被水により腐食することがある。そのため、そのまま使用を続けると、腐食が進行して導通不良となり、最悪の場合、走行中にエンジンが停止するおそれがある。
改善措置として、全車両、カプラに防水カバーを追加するとともに、カプラ端子部を点検し、腐食を確認した場合は、イグニッションスイッチリード線とワイヤーハーネス一式を交換する。
2つ目は、ワイヤーハーネスの配索設計が不適切なため、燃料タンク裏面と干渉していることがある。そのため、走行中の振動によりワイヤーハーネスの被覆が摩耗して短絡し、エンジン不調となり、最悪の場合、走行中にエンジンが停止するおそれがある。
改善措置として、全車両、ワイヤーハーネスを点検し、配索を適切な位置に変更するとともに、被覆に摩耗を確認した場合は、補修またはワイヤーハーネス一式を新品に交換する。
3つ目は、バッテリーのアース端子の固定位置が不適切なため、アース端子に電気が流れにくくなることがある。そのため、そのまま使用を続けると、最悪の場合、スターターモータが作動せず始動不能となるおそれがある。
改善措置として、全車両、アース端子を正規な位置に固定するとともに、外装チューブを耐熱性向上品に交換する。
不具合は合計で4件発生、事故は起きていない。市場からの情報により発見した。