30日、「MEGA WEB トヨタ シティショウケース」にて実施された、2015年シーズンのトヨタモータースポーツ活動発表会。昨年初制覇を果たした世界耐久選手権(WEC)の15年陣容も発表され、今季は中嶋一貴がフル参戦することが明らかになった。
近年の一貴はWEC、SUPER GT、スーパーフォーミュラ(SF)の掛け持ち状態が続いており、昨年の場合で言うと、シーズン前の段階でフル参戦が確実だったのはSFのみ。WECとSUPER GTに関しては日程重複も含めて状況次第というかたちだったが、今季はWECとSFにフル参戦することがシーズン前に約束された。
昨年はルマン24時間レース(WEC第3戦)で日本人選手初のポールポジション獲得を果たし、レースでも自身とトヨタにとって初の総合優勝に向けて突き進んでいたが、夜間にトラブルストップという無念を味わった一貴。今季こそは、と胸に期するものがあるだろう。トヨタとしても、昨年はタイトルこそ獲得しているが、それ以上の大願であるルマン総合優勝の好機を逸した雪辱に燃える今シーズン、ということになる。
今季も『TS040 ハイブリッド』の原則2カーエントリーでWECのドライバーズ&マニュファクチャラーズタイトル連覇を目指すトヨタのドライバー布陣は、一貴を含めて全員が昨季からなんらかのかたちで継続参戦となる面々だ。栄光のゼッケン1をドライブするのは、昨季ドライバーズチャンピオンコンビであるアンソニー・デビッドソン&セバスチャン・ブエミに一貴を加えた3人。そして2号車がアレックス・ブルツ&ステファン・サラザン&マイク・コンウェイのトリオとなる。
WECは今季もルマン24時間を含む全8戦の予定。富士スピードウェイでのシリーズ第6戦は、10月11日決勝の日程で開催される。
なお、活動発表会ではWEC以外の世界戦線、米国最高人気シリーズのNASCARや、GAZOO Racingによるニュルブルクリンク24時間レース参戦等についても今季活動内容が明らかになっている(豊田章男社長はNASCARでのさらなる躍進と王座獲得に期待を寄せる旨をコメント)。また、すでに開催が終了したダカールラリー2015では「Team Land Cruiser TOYOTA AUTO BODY」による市販車部門2年連続1-2フィニッシュが達成されたことも報告されている。
今季もトヨタ勢の活躍が世界各地で展開されることになるだろう。
なお、17年からの参戦に向けてテストが進められるWRCに関しては、WECドライバーにしてWRC参戦経験も有するマルチプレイヤー、サラザンがテスターの一員を務める。