新型プジョー『308』の日本市場での発売は2014年11月5日から。それに先立ち、短時間ながら実車と過ごして感じたのは「今回はプレーンさをきわめている」ということだった。
とくにスタイリングがそう。3サイズは小さくし、ホイールベースを伸ばしたプロポーションがキレイ。装飾的な余分なプレスやディテールがなくさっぱりした佇まいもいい。LEDヘッドライトはクラス初採用で、エンジンを始動させると、LED13個のデイタイムライトが点灯する。
インテリアは現行『208』同様、ステアリング越しにメーターを見るレイアウト。メーターはスピード/タコメーターの指針が向かい合わせで上昇する(右のタコメーターは反時計回り)レイアウト。Aピラーが適度に手間に引いてあるため、昔ながらの普通のクルマのドライバーなら、クルマとのスタンスがとりやすく、扱いやすいに違いない。
「EMP2」と呼ぶ新プラットフォームを基礎に3気筒の1.2リットルターボ+EAT6(アイシンAW製)を搭載。96kW/230Nmのスペックだが、低速からジンワリとチカラを発揮してくれ、街中でもいたって運転しやすい。一方、スポーツモードに切り替えると(メーター照明が白→赤に変化)、俄然パワフルさが増し、エンジンサウンドが強調される“演出”も加わる。大人しさと楽しさの両面性が味わえる点が興味深い。後席はクッションがやや硬め。だが全体としてしっとりとした乗り味は先代以上に洗練されたものだ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。