【スズキ Vストローム 1000 ABS 発表】デザイナーに聞く、“旅に出たくなる特別感”とスズキの独自性

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スズキ Vストローム1000 ABS
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スズキは大型デュアルパーパスモデル『Vストローム 1000 ABS』を発表した。

「Vストローム」シリーズは、次世代のアドベンチャー・ツアラーとして2002年に初代モデルとなる『Vストローム1000』が登場。2004年には『Vストローム650』を追加し、以来11年間、改良を重ねながらシリーズ総輸出台数18万7000台を販売するヒットモデルへと成長した。

今回、国内発表を果たしたのは「Vストローム」シリーズの中でも、より大きな排気量のエンジンを搭載したVストローム1000。同車は、2007年からモデルチェンジが行われてこなかったという経緯があり今回待望の新型モデル登場である。


◆旅に出たくなるような特別感を表現

新型ではエクステリアデザインに大幅な変更が加えられた。スタイリングコンセプトは「ワイルド&スマート」。スズキのアドベンチャーモデルのフラッグシップとして、アドベンチャー性を感じるワイルドな造形と、同車の特徴である軽快さをスマートに表現することに重点が置かれ開発が進められた。

スタイリングのポイントを二輪商品企画部デザイン課の村上智弥氏に話を聞いた。まずVストローム650と異なるデザインを採用した理由はどこにあるのだろうか。「Vストローム650の方は、より街乗りを意識したコンセプトを採用したので丸みを帯びた優しい雰囲気のデザインとなっています。一方今回発表したモデルでは、旅に出たくなるような特別感を車両に与えたかったので、冒険心をくすぐるデザインを採用しました」と同氏は言う。

同車のスタイリングは、パニアケースなどの旅の道具を追加することでその魅力がより高まるようにデザインされている。エクステリアのシャープなラインは硬質で力強さを表現するとともに、各アタッチメントを取り付けやすい形状となっており、自分仕様に容易にカスタマイズ可能となるよう配慮がされている。


◆激戦区挑むスズキのオリジナリティとは

近年アドベンチャーモデルの人気は非常に高まっており、各メーカーからも様々なモデルが登場している。多くのモデルがメーカー独自のオリジナリティの高い商品をラインナップしているが、激戦のセグメントの中でスズキはどう勝負していくのだろうか。村上氏は「スズキらしさの表現として、『隼』などに採用される縦型2灯のヘッドライトを採用しました。フロント部の”クチバシ”も大きな特徴となっています。スタイリングだけでなく足付き性など、使用する際の快適性にも非常に配慮しました」と言う。

そのデザインは、80年代に登場した同車の『DR750S』をモチーフとし、猛禽類のクチバシのような形状がデザイン上のアクセントとなっている。同氏によると社内でも様々な議論があったようだ。「開発当初は付いてなかったものです。以前のモデルにはなかったもので、新たに付けるとなった時かなりの議論がありました。風洞実験を重ねることで、フロントリフトを抑えタービュランスを発生させない形状としました」と言う。


◆欧州車とも渡り合う高い質感と機能性

欧州車と渡り合うためには各部の質感もとても重要となってくる。デザインする際、金属パーツと樹脂パーツの使い分けにかなり気を使ったそうだ。村上氏は「プラスチックのカタマリとなってしまっては特別感や所有感を満たすデザインにはなりません。金色のフロントフォークを採用したのも、足回りの良さを表現したかったからです」と語る。

デザイナーとして最もこだわった点を聞くと、「メーターを含めたフロント周りの造形にはとてもこだわりました」とのこと。「軽快感を演出するにはできるだけ小さく作りたいのですが、フードの角度を変える”ラチェット機構”を納め、かつウィンドプロテクションは確保しなければならない。デザインと機能性のバランスをとるのに非常に苦労しました」と述べた。

最後に、このフロントフェイスが他のモデルにも採用されるかどうか聞いたところ「乞うご期待」との回答を得た。欧州市場では予想以上の好評をもって受け入れられており、Vストロームブランドの確立に寄与している。特徴的なフロントデザインスズキのバイクデザインのアイコンとなるのか、関心が集まりそうだ。
《橋本 隆志》

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