気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2013年11月28日付
●半導体国内生産撤退へ、パナソニック3工場売却、車・産業分野を強化(読売・8面)
●文化アート、軽ブームに透ける高齢化(読売・16面)
●燃料電池車、市場へ加速、トヨタ・ホンダ15年投入、満タンで500キロ走行、日産・欧州勢は慎重(朝日・10面)
●ヤマハ発動機、燃料タンクの塗装新しく(朝日・10面)
●新日鉄住金、米工場買収へ、ミッタルと共同で海外強化(朝日・10面)
●ガソリン店頭価格5週連続値下がり(毎日・8面)
●NY円下落、一時102円台(産経・13面)
●EV充電、ワイヤレス、事業化目指す、ダイヘン(産経・13面)
●スズキ,タイで生産能力を倍増、アジア共通モデル安く、年10万台に(日経・13面)
ひとくちコメント
東京モーターショーでも注目度の高い電気自動車(EV)と燃料電池車(FCV)だが、きょうの朝日が「次世代エコカーの主役はどちらに?」と、双方を徹底比較した興味深い記事を取り上げている。
ガソリンなど化石燃料を使わず、二酸化炭素を出さずに動くFCVの市販モデルをトヨタ自動車は東京、ホンダはロサンゼルスのそれぞれのショーでほぼ同時に披露したことから「市場へ加速」というタイトルでFCVをクローズアップ。「エコカーで先んじたハイブリッド車(HV)、EVとの覇権争いは、舌戦にもなっている」と伝えている。
世界販売台数の予測や価格、航続距離、充電時間、特徴などを表にしてわかりやすく比較。記事ではメーカーでもFCVのアピールに熱心なトヨタ、ホンダに対し、ライバルの日産ではカルロス・ゴーン社長が「試作車を出すのは簡単だが、(量産、普及となると)20年までには実現できないだろう」と冷ややかな見方をしていることなどを紹介している。
もっとも、普及のカギを握るのはインフラ整備だが、FCVの「水素ステーション」もこれからで、「EVの充電スタンド同様に国の補助金頼みになりそうな気配がある」(朝日)とも指摘している。
FCVといえば、最近は「原発ゼロ」発言を展開する小泉純一郎氏が総理大臣のときに、官邸の庭に各社の試作車を並べてアピールしたことを思い出す。試作車の価格を当時のトヨタの奥田碩会長に尋ねると「2億円以上ならお譲りする」と言われてのけぞっていた。それから10余年。15年にも市場投入する価格は500万から1000万円を想定しいるとみられており、ようやく手の届くところまでには下がったが…。