【上海モーターショー13】スズキ オーセンティックスは「渾身のセダン」…チーフデザイナー松島氏

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スズキ オーセンティックス
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スズキ『オーセンティックス』を、チーフデザイナーの松島久記氏は「スズキ渾身のセダン」と表現する。中国で最大の量販ゾーンはCセグメント・セダン。そこに向けてスズキが開発中の次世代セダンを予告するのが、このオーセンティックスだ。

全長4600mm、全幅1815mm、全高1390mmと、ボディサイズはひとクラス上の『キザシ』に迫るが、これはコンセプトカーとしてショー会場での見栄えを考えてのこと。量産版はもう少し控え目なサイズになるようだ。

ただ、同じブースにあるキザシよりむしろ大きく見えるのも確か。これはボディ前後をあまり絞り込みんでいないからだ。「スケッチを抱えて何度も中国に来て、お客様の声を聞いたのだが、やはりフロントとリヤのワイド感が求められている。そこでボディサイドの絞り込みは意識的に小さくした」と松島氏。

ゴールドのボディカラーも中国の消費者の嗜好を反映したもの。粒子の大きなガラス粉末を塗料に入れることで、ラメのようにギラギラとした輝きを表現している。

キザシは北米市場を睨んで開発したセダンだが、スズキが北米市場から撤退した今、その立場はいささか微妙になっている。かわって同社の次世代セダンのターゲットに浮上したのが、中国を中心とするアジアだ。

なお、3月のジュネーブショーで発表された新型『SX4 S-Cross』は、現行型より1ランク格上げされてCセグメントのクロスオーバー。松島氏は明言を避けたが、同じCセグメントに2つもセダンは必要ないはずで、おそらく新型『SX4』にセダンのバリエーションは登場しないだろう。

となると、このオーセンティックスが将来的にスズキの唯一のセダンになる可能性もある。「渾身のセダン」という言葉の真意が、そこに隠されているのかもしれない。

《千葉匠》

千葉匠

千葉匠|デザインジャーナリスト デザインの視点でクルマを斬るジャーナリスト。1954年生まれ。千葉大学工業意匠学科卒業。商用車のデザイナー、カーデザイン専門誌の編集次長を経て88年末よりフリー。「千葉匠」はペンネームで、本名は有元正存(ありもと・まさつぐ)。日本自動車ジャーナリスト協会=AJAJ会員。日本ファッション協会主催のオートカラーアウォードでは11年前から審査委員長を務めている。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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