気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2011年12月6日付
●消費税「師走攻防」、首相「不退転で臨む」一体改革素案、年内メド指示(読売・1面)
●パリEVレンタカー始動(読売・6面)
●「軽く強い」次世代車作る、炭素繊維VS高級鋼板(読売・10面)
●ホンダ、新型HV発売(読売・10面)
●今年のヒット横綱、なでしこ&スマホ(朝日・11面)
●タイ工場従業員、受け入れ本格化、洪水被災(朝日・11面)
●タイ洪水影響で業績を下方修正、日野自動車、3月期(朝日・11面)
●深セン、世界の頭脳1万人勧誘、高度成長維持へ、高度成長維持へ、産業構造変革迫られ(毎日・1面)
●賃金など通年交渉、経団連方針、脱春闘、鮮明に(産経・1面)
●ホンダ「燃費世界一」へ新技術、第3のHVシステム、腰掛け二輪など公開(産経・10面)
●三洋の早期退職者富士重が200人採用(産経・10面)
●対応車種絞り込み、政府税調エコカー減税延長で(産経・11面)
●トヨタ、米韓FTA活用、韓国向け「カムリ」米国生産を発表(日経・11面)
●11月の中国販売、日産、24%増加、年間目標の達成確実(日経・13面)
ひとくちコメント
年の瀬の風物詩ともなっているヒット商品番付。三井住友銀行系のSMBCコンサルティングが発表した2011年版「ヒット商品番付」によると、東の横綱に「なでしこジャパン」、西の横綱に「スマートフォン」が選ばれたという。
きょうの各紙が取り上げているが、「震災関連の商品やサービスが上位に食い込んだほか、運動靴や自転車、ダイエット本が番付に入り、“健康ブーム”を印象づけた」(朝日)と分析している。
そこで興味深いのは、三役の中の小結の番付商品。東が「第3のエコカー」、西は「自転車」が選ばれた。業界では、エコカーの究極は「自転車」だが、環境にやさしい電気自動車(HV)やハイブリッド車(HV)ではなく、HV並みの低燃費を実現するガソリン車を「第3のエコカー」と分類している。
6月にマツダがガソリン1リットル当たり30km走行を可能にした小型車の新型『デミオ』で先行し、9月には、ダイハツが軽自動車の『ミライース』を発表。宣伝広告にも大々的に「第3のエコカー」と表記するなど、注目を集めた。開催中の東京モーターショーでも三菱自動車が来春投入する新型『ミラージュ』の市販モデルを展示するなど、脚光を浴びている。
震災で沈みがちだった日本列島に、勇気と感動を与えてくれた「なでしこジャパン」はともかく、「スマートフォン」という大ヒットのお化け商品が出現しなければ、「第3のエコカー」も、もう少しランクアップした可能性もある。
ただ、トヨタ自動車の豊田章男社長が「楽しくなければ、クルマではない」と訴えているように、低燃費ばかりを追及するエコカーでは単なる移動手段に過ぎない。新しい年には「第3のエコカー」に「夢」や「感動」をプラスした「第4のエコカー」とも呼べるようなヒット商品を期待したい。