【新聞ウォッチ】豊田社長「トヨタ車が傷つくことは、私自身の体が傷つくこと」…公聴会

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豊田章男社長(資料画像)
  • 豊田章男社長(資料画像)

気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2010年2月25日付

●「電子制御」巡り質疑、豊田社長、米公聴会に(読売・1面)

●トヨタたたき、政治の影、米公聴会(読売・3面)

●トヨタ公聴会、社長待つ手強い面々、証人に遺族、消費者代表(読売・9面)

●迅速化へ現地権限強化トヨタリコール改善(読売・11面)

●経団連、献金主導を注視、政治的中立に配慮(朝日・1面)

●トヨタ弁明、不満消えず(朝日・2面)

●急加速、国内38件、トヨタ車、国交相、調査の意向(朝日・37面)

●トヨタ社長「米に安全担当役員」公聴会、顧客の声、迅速把握(毎日・1面)

●トヨタ米公聴会、豊田社長「大いなる責任」(産経・1面)

●海外展開量優先のツケ、トヨタ、5年で生産能力1.5倍(東京・9面)

●品質問題、他社に余波も、米当局、調査の厳格化示唆(日経・3面)

●ベンツ日本、輸入ディーゼル初の減税対象車(日経・9面)

ひとくちコメント

大規模リコールをめぐる米下院監督・政府改革委員会の公聴会でトヨタ自動車の豊田章男社長が証言した。公聴会は日本時間で25日午前1時から始まったが、豊田社長の証言は4時過ぎに行われたため、きょうの各紙朝刊は事前に公表された冒頭説明の内容をベースにした記事が目立つ。

このうち、朝日や東京はバンクーバー冬季五輪の女子フィギュアで競い合う浅田真央とキム・ヨナ選手をカラー写真付きで大きく取り上げたが、読売、毎日、産経は豊田社長の公聴会での証言を1面トップで報じている。

読売は「『電子制御』巡り質疑」、毎日は「米に安全担当役員」、産経は「豊田社長『大いなる責任』、『急成長が原因』通じるか」という見出し。公聴会の様子はCNNなどでも実況中継していたが、豊田社長は神妙な表情で、品質問題やこれを原因としたトヨタ車の事故について「大変申し訳ない」と謝罪。顧客の安全を最優先に据え、品質改善に全力を尽くすと改めて約束した。これに対し委員の間からは、日本や欧州で見つかった安全上の不具合を「いつ知ったのか」との質問に「昨年末」と応えたことで、縦割り組織の弊害などを追及された。

また、電子制御スロットル・システムについて、豊田社長は委員の追及に対し「安全第一のコンセプトで設計している」と強調。これまでの調査の結果、「設計上の問題はないと確信している」と繰り返し言明した。

冒頭説明では「ご存じの通り、私は創業者の孫であり、全てのトヨタの車には私の名前が入っている。私にとってクルマが傷つくということは、私自身の体が傷つくということに等しい。トヨタのクルマを使っていただくお客さまに安心していただきたいという気持ちは誰よりも私が一番強い」と訴えかけた。

公聴会では豊田社長も質問者もいたって冷静な質疑応答が繰り返されたようにも見受けられたが、連日のように批判的な報道を繰り返している米メディアなどが公聴会での印象をどのように伝えるかどうかが注目される。

《福田俊之》

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