【福岡モーターショー14】豊田章男社長「I Love Cars!」の誕生エピソードを語る

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福岡モーターショー2014「自動車フォーラム」会場にて
  • 福岡モーターショー2014「自動車フォーラム」会場にて
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  • CNNが提供する「Larry King Live」youtubeダイジェストより
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福岡モーターショー開催2日目、土曜日の午後に先着1000名の一般応募者を対象にした「自動車フォーラム」が行われた。小川洋県知事の挨拶のあとに登壇したのはトヨタ自動車豊田章男社長。「もっとクルマを語ろう。I Love Cars!」と題した特別講演に福岡の自動車ファンは耳を傾けた。

豊田社長はスピーチ冒頭、「ここ北部九州および山口県を合わせると日本の自動車産業にとって一大集積地となっている。福岡県の自動車関連の県内総生産は約8000億円であり神奈川県に匹敵する。愛知県は約4兆円で福岡県の約5倍だが、東北と比較をすると宮城と岩手を足してもまだ福岡県の10分の1の規模しかない。まさにカーアイランド九州。」と福岡の重要性を訴えた。

その後、「いまでこそ私はクルマが好きだと大声で言っているが、社長に就任以来、こうして素直にクルマが好きだといえるまでは平坦な道ではなかった」と切り出し、社長就任以来のリーマン・ショック、品質問題、震災、タイの洪水などピンチと試練の連続を、テレビ放送などを編集してドキュメンタリー調にまとめた15分ほどのビデオを披露した。

ビデオのあと、再び豊田社長は振り返って当時の心境を語った。そこで自らが標榜するI Love Cars!がどのような経緯で生まれたのか、最大のピンチだった品質問題でのアメリカ公聴会直後のことに触れた。

「アメリカ議会の公聴会のあと、ラリー・キングさんのインタビュー番組に出させていただいたことを私は生涯忘れることができません。そこでは30分の生放送のうち、ずっと品質のことを聞かれ続けて、その最後の最後で『ミスター豊田はどんなクルマに乗っているのだい』と質問をいただきました。

ビデオより(豊田:私はいろいろな車に乗っています。一年に約200種類の車に乗ります。ですから、どの車に乗っているかと申し上げるのは非常に難しいのです。私は車が大好きですから。 キング:笑 豊田さん、ありがとうございます。すべてが好転するよう祈っています。)

私の答えを聞いてキングさんはフフッと笑いました。それを聞いて『あ、伝わったな』と思いました。大げさではなく、私もトヨタという会社自体も救われた大きな一瞬でした。」

日本語で答える豊田の同時通訳が訳した最後の言葉は「I Love Cars.」。キング氏は厳しい追及の表情から一転して最後に笑顔を見せたのだ。後日談にも豊田社長は触れた。

「キングさんが引退されたということで、昨年アメリカまでお礼を言いに行ってきました。『なぜ最後にあの質問をしてくれたのか』お礼とともに、どうしても聞いておきたかったのです。キングさんはいいました。

『先入観をもたずにインタビューに臨むようにして何十年もやっていると、30分間じっくり話を聞けば、その人がどういう人か本質のようなものがつかめるようになる。番組の最後の質問はその人の本質が視聴者にダイレクトに伝わるような質問を考える。ミスター豊田の場合はそれがあの質問だった』と。

大変嬉しいことを言ってくださいました。『I Love Cars.』という答えもキングさんの予想通りだったというわけです。

このインタビューのお陰で私自身も生まれ変わることができました。私はクルマが大好きで、それはたしかに私の本質だと思います。でも会社に入って何十年ずっとそれを口に出来なかったのも現実でした。いつも創業家の・・という見方をされ、周囲がそれを気にかけるのも仕方がないと私自身も思っていました。私が車が好きと言ったって「あなたは一族の人でしょ」と思われるにちがいない。そんな心配を入社以来30年間ずっとしてきたのが私のトヨタ人生でした。

言いたくってもなかなか素直に言えなかった言葉を、キングさんが自然に引き出して、ストレートに受け止めてくれました。『あ、言ってもいいんだ、大丈夫なんだ』と感じ、心が解き放たれたような気持ちになりました。それ以来私はいろいろな場面で『私はクルマが大好きです』と素直に言えるようになりました。それどころかどんどん言うようにしています。」

ここまで語った豊田社長は、会場を見渡して質問した。

「ところで、クルマは好きですか? 好きな方、手を上げてくださいますか」

<ほぼ全員挙手>

「ありがとうございます(笑)。本日はどんな方がいらっしゃるのかと心配していましたが、今ので心が救われた気持ちになりました」

序盤、少し上ずっていた豊田社長の声が、ここですっと落ち着いたトーンに代わり、I Love Cars!の様々な想いやエピソードを伝える後半に続いた。
《三浦和也》

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