6月末に始めた阪神高速ETC化キャンペーンもわずか2週間で完了し、都道府県別月間セットアップ台数で万年3位だったのが6月は2位になるなどある程度の成果を得た。一方でハードの部分でもETC化が進んでいる。
『エディックス』には、インターナビ・プレミアムクラブ対応のインパネ一体型HDDナビが設定されている。『オデッセイ』や『エリシオン』に設定されたものと同じく、渋滞予測機能を使ったルート案内も可能。
トヨタ『クラウンマジェスタ』には、世界初の採用となる「低速追従モード」付きのレーダークルーズコントロールがオプション設定されている。車間維持だけではなく、ブレーキ操作まで行ってくれるものだ。
余談だが、デモ実験が行われた三菱電機・鎌倉製作所のKTF(鎌倉テストフィールド)は、ETCや路側カメラ、車両認識技術など同社のITS開発が行われている場所。
普及にあたり、一番大きいであろう課題は、ハードではなく「DSRCならではの魅力のあるコンテンツやサービスを提供できるか」にかかっている。
総務省の予測によると、DSRC市場は2015年までの累計で11.6兆円の市場が見込めるという。内訳は、ガソリンスタンド関係で5.9兆円、駐車場の料金徴収で1.7兆円、高速道路のSA・PAで2.8兆円など。
気になるのは価格だ。デビュー当初のETCのように車載器が高ければ普及も進まないし、路側設備の商談相手も一般の流通企業やガソリンスタンドだ。日本道路公団のような大盤振る舞いは望めない。
DSRCは、車載器固有のIDや、車載器に差し込むICカードのID情報を読み取り、情報をやりとりすることができる。つまり、車載器や利用者(ICカードの保有者)の属性に応じた情報を流せるのだ。
今回、開発した路側設備と車載器は、ETCに使われているASK変調(1024kbps)にくわえ、QPSK変調(4096kbps)の通信モジュールを採用した。つまり、4Mbpsの高速大容量通信が可能なのだ。
三菱電機はこのほど、DSRC(狭域無線通信)の路側設備と車載器を開発し、報道陣を対象にデモンストレーションを行った。