60年代はアメリカンセダンの黄金時代だった。厚い鉄板、輝くクローム、そして若者の「不良グループ」がクールと定義された。そんな時代もミニバン、ポップアイドル、プラスチックに追いやられてしまった。しかしフォードの『427』コンセプトは古典的正統派アメリカン・セダンのルネサンスを予告する。
今回の『KAZ』はジュネーブショーの前に行われた昨年のソウルショーに先立って、ボディーカラーの変更など、マイナーチェンジが施されている。プロジェクトリーダーの慶應義塾大学の清水浩教授によると「2年経って、塗装が傷みだしたので…」と語る。
『KAZ』のデザインと製作はイタリアのカロッツェリア「IDEA」によるもの。プロジェクトリーダーの慶應義塾大学の清水浩教授によると、「ヨーロッパ中をまわったが、能力があってリーズナブルだったIDEAを選んだ」という。
世界初のスーパーチャージャー付き水素エンジンとハイブリッド・エレクトリック・トランスミッション、そして先進のエコロジカルな素材と生産プロセスによって作り上げられた『モデルU』は、将来のためのビジョンを示すものと言える。
『KAZ』のプロジェクトは慶應義塾大学の清水浩教授がメインとなり、文部科学省の特殊法人である日本科学技術振興事業団から5年で5億円の予算を得て行われているもの。大手自動車メーカーが新車開発に数百億円投じるのと比べれば、破格の安さではないだろうか。
『KAZ』を開発した慶應義塾大学の清水浩教授によると、100台の注文があれば、実際に2005年のクリスマスに40万ドル(4800万円)で発売したいと語る。
慶應義塾大学の清水浩教授による『KAZ』の技術面の最大の特徴は、リチウムイオン電池の採用と、永久磁石式のモーターの採用にある。
慶應義塾大学の清水浩教授による『KAZ』は、6700mmの全長と8輪駆動、そして311km/hもの世界最高速度を持つという電気自動車だ。デトロイトショーにも展示されて注目された。清水教授によるとライバルは『マイバッハ62』で、2005年には40万ドルで売り出したいという。
デトロイトオートショーの延べ入場者数は81万0699人で、昨年の入場者を5万人上回る史上最高の入場者数となった。また1日当たりの入場者数も過去最高の14万2864人を記録(11日土曜日)。