お腹が一杯になる焼き肉チェーン店の『特盛りロースランチ』というイメージ。スバルR2と全く違う方向性といってよかろう。
軽のミニバンといえる形を作った元祖である。それゆえ熟成を重ねたパッケージングにスキはない。座ったときのスペースは広すぎることのない十分な広さ感がある。
バリュー・フォー・マネーで計算したらきっと1位になると思えるほどタントの室内容積は大きい。最近の若い人たちは広い室内に憧れているようだから、タントはこれ以上ない選択になる。
ワゴンRも3代目にして厳しい感じが出てきた。あまりに保守的なのだ。本来ワゴンRってチャレンジャーである。それが保守的になってどうする!
若い主婦層を狙って作られたというが、R2はヤング層からオジサンたちまで幅広いスイートスポットを持ったクルマだとボクは思う。
いたずらに広い室内を追求せず、その代わり燃費や質感、走る気持ちのよさを重視。クルマ好きだってハンドル握ったら、きっと「いいね!」と感じることだろう。
派手さはないが、落ち着いた雰囲気のクルマだ。フロントシートはサポート性が高く、しっとりとした座り心地。
クルマを借り出してほんの数十m走っただけで、といったらちょっとオーバーになるが、本当に走り出してすぐに違いのわかるクルマだ。
別にタントに罪はない。が、このクルマをひと目見たとき、「もう“この手”はお腹イッパイだな…」とボクは感じてしまった。
個性派ぞろいの軽のなかにあっても、ひときわユニークなのがR2。広さを追求せずに軽の使い勝手に重点を置いて開発された。