ヨーロッパ専用車として開発されたこともあり、乗り味は日本車と全く違う。これまでのトヨタ車に慣れた人だと「硬いですね」と感じるんじゃなかろうか。
限りなくミニバンに近いワゴン。クルマの仕上げも丁寧で、黄色いナンバーさえ見なければ、ちょっと幅の狭い小型車以上のレベルにある。
現在の軽自動車の世界に“トールボックス”のデザインを定着させた立役者は文句ナシにこのブランド。
軽自動車界のトップ2はスズキとダイハツ。スバルは台数上での勝ち目はない。ということで、“ワゴンRクラス”での熾烈な消耗戦からは潔く身を引いた。
一見すると、ちょっと化粧したコロナ。内装も黒づくめで色気な過ぎ。だけど乗ると今まで乗ったトヨタ車の中で一番いいかも、という部分がある。
タントは、ほとんどキャブオーバーの鼻先にパワートレインを収納。限られた長さと幅を目一杯使いつつ、高さで広々感を演出する。
軽の主流を占める背高ワゴンは、初代ワゴンRがつくったフォーマットである。米国ミニバンの元祖がクライスラー・ボイジャーなら、日本サイズの文字通りのミニバンが93年のワゴンRだった。
イギリスで生産されたモデルをそのままサスを変えないで輸入するのであれば、欧州で人気のディーゼルと5速MTの組み合わせを入れて、日本市場を違う角度で刺激した方がいいのでは?
ユニークといえばユニーク、個性的といえばそうだが、単に四角くて広くて均質化を強めた昨今の軽自動車の中にあっては、当然こっちの路線もありという気がする。
軽自動車ブームを再燃させた革命児の第3世代は、軽自動車の原点でもある親しみやすさに軸足を戻してきた。