この進化は見事。日本でスポーツセダン(&ワゴン)のスタンダードを塗り替えたレガシィが、今度は世界のスタンダードを狙うようだ。
今まで日本車は何度もヨーロッパのメーカーに勝負を挑んできたけれど、正面からぶつかって勝てるモデルとなると難しかった。
アウディというブランドや、A3のスタイルが好きならいいだろうけれど、あの価格帯のクルマとして評価すれば「普通」だ。
見た目は何とも平凡だ。なんていうことのない、お行儀の良いFF2boxスタイル。鮮味を感じないのは、80年代中頃によく似た2代目FFファミリアを思い出したからか。
さらに一歩前進。レガシィは、先に登場していた2リッター水平対向4気筒シリーズの段階で、国産車では困難とされるプレミアムブランドへの道を目指す姿勢を明らかにしていた。
4代目の商品企画はスタイリッシュ、スポーティというありきたりの発想へ。結果は並の日本流スポーティカーに。
パッケージング構築と足まわりの設計は面目一新。適度な大きさの4人乗り移動空間として納得ゆくものになった。
あらゆる部分で「1クラス上」を感じさせ、実際に乗ってみてもA4同等以上に思える仕上がりぶりだ。
これまでの滑らかさや上質さに加え、ポルシェのバリオカム譲りとなるダイレクト可変バルブリフトを備え、スポーツ性や官能性も高まった新フラット6。
待望の3リッター・フラット6が追加され、新世代レガシィのラインアップはほぼ完成した。