アウディ『A6』がマイナーチェンジでV8をなくし、過給機付きの3リットルV6エンジン搭載車をトップモデルとして据えたことに驚いた。これはひたすら拡大指向で進んできたプレミアムカー界では異例のアプローチである。
アッパーミドルクラスのサルーンと言えば、どのブランドでもコンサバな存在になりがちだ。だが、BMW『5シリーズ』は違う。フロントマスクからして、その目つきは猛禽類の鋭さを感じさせ3シリーズよりもアグレッシブな印象がある。
ラージクラスのSUVは、市場環境の変化で時代の逆風にさらされている。だが、ここにきてミドルクラスの注目度が一気に向上。
ヘタなスポーツカーは軽く置いていかれるほど速く、コーナリングに優れている。シャープに向きを変え、コーナーに進入しても、前輪駆動にしては例外的にリアタイヤがよく粘る。
かつて、スポーティなワゴンの代表として『カルディナ』が一時代を築いた。ただ、ワゴン市場が縮小するなかでフェードアウトするかのように消えていった。だが、その代役を『ウィッシュ』が担う。
復活アバルトの真打ち登場といった感がある。今後、このビジネスモデルが成功すれば、過去の栄光のように、小さくてかわいくて格好よくて過激なオリジナルスポーツカー登場もありえるかもしれぬが、しばらくはコイツがアバルトの主役だろう。
初代『Z4』にクーペが追加されたとき、リトラクタブルハードトップでないことを残念に思ったものだが、あれだけ丸いルーフ形状を実現するには、固定式のトップじゃないと無理なんだろうと思った。
ルーフがソフトトップからメタルトップに変わったことで、いろいろなメリットが得られた。クローズドのときの静粛性や快適性が大きく向上したほか、ガラス面積を大きくとることができて視界が拡大されたのも良い点。
塊から切り出したような存在感とクーペのようなルーフラインは、SUV的な力強さと都会的なカッコ良さをうまく合わせたデザインだ。
トヨタは『クラウン』の歴史を重ねる中で、あるいは『セルシオ』=レクサスを作る中で、静粛性にはとくにこだわってきた。今回の『マジェスタ』はその集大成ともいえるような高い静粛性を実現している。