オフロードに仕立ててもエレガントさはそのままというアウディってすごい。どんなに着くずしても上品さが失われない一流モデルみたいだ。
まずは、丸目じゃなくなったことを喜んでいる。今のメルセデスに丸目は似合わない。
ドイツのプレミアムブランド御三家、メルセデス、アウディ、BMW。この5月に新型『Eクラス』が登場し、『A6』と『5シリーズ』を交えたミディアムセダンの選択肢が魅力を増している。先進のEクラスか、熟成の5シリーズ/A6か。松下宏氏による比較インプレッションをお届けする。
発売1か月で18万台超という驚異的な受注台数のニュースには本当に驚いている。安価な価格設定だけでなく、エコカー減税に助成金と好要因がそろったのも大きいが、肝心のクルマ自体の訴求力なくして、この数字はなかったはず。
VWアウディグループの環境戦略は、小排気量化と過給でトルクを落とさず、CO2を減らそうというものだ。わかりやすく言えば、絶対的な排気量を小さくして燃費を改善し、必要に応じて過給で力を補うということになる。
少し前までBMW『X3』の独壇場だったカテゴリーに、先ごろメルセデスベンツ『GLK』が名乗りを上げたばかりで、そこにアウディ『Q5』も戦線に加わったわけだが、結論からいうと、このカテゴリーでベストといえる仕上がりだった。
筆者の中で、登場時と現在の印象がこれほど大きく変わったクルマも珍しい。BMWは非常に好きなブランドのひとつで、これまで3台を乗り継いだほど。しかし、現行『5シリーズ』について、デビュー当初に抱いたのは「嫌悪感」だった。
アウディ『A6』がマイナーチェンジでV8をなくし、過給機付きの3リットルV6エンジン搭載車をトップモデルとして据えたことに驚いた。これはひたすら拡大指向で進んできたプレミアムカー界では異例のアプローチである。
アッパーミドルクラスのサルーンと言えば、どのブランドでもコンサバな存在になりがちだ。だが、BMW『5シリーズ』は違う。フロントマスクからして、その目つきは猛禽類の鋭さを感じさせ3シリーズよりもアグレッシブな印象がある。
ラージクラスのSUVは、市場環境の変化で時代の逆風にさらされている。だが、ここにきてミドルクラスの注目度が一気に向上。