東京に住んでいると、SUVをやや斜に構えて見てしまう。
うわぁデカい。『カングー』を間近に見たときの感想だ。全長が180mm、全幅が150mmも拡大されたのだから当然で、一度のフルモデルチェンジでこれだけ一気にボディサイズを変えた例はほかには知らない。
評価するべきはオープン時とクローズド時でハンドリングに大きな変化が起きないことだ。約70kgといわれるソフトトップを含めた電動式開閉機構(これまでの欧州の主流は油圧式)の重量のほとんどが、ルーフにあるのかリヤラゲッジにあるのかという重量差が発生するのだ。
スペック表を見て、1930kgという車重にビックリしてしまった。リトラクタブルハードトップより軽く作れるソフトトップなのに、クーペより260kgも重いのだ。
『Eクラス』のクーペとは言っても、実はそのベースがEか『C』か、というのは微妙なところ。従来の『CLK』の後継車としての役割も与えられたこのモデルでは、ボディのサイズなどはむしろCのキャラクターに近いものであったりするからだ。
『A5』に搭載されるV型6気筒3.2リットルエンジンは、オープンボディによる重量増を問題にしないだけの実力を持つ。7速Sトロニックとの組み合わせも上々で、芦ノ湖スカイラインのワインディングを楽しく走らせることができた。
旧型より180mm長く、150mm幅広くなり、プラットフォームまで『ルーテシア』用から格上の『メガーヌ』用にスイッチした新型『カングー』。こんなに大きくなった理由は、ヨーロッパで商用車として使われていることと関係がある。
ダイハツ『ミラ ココア』は、昨年末に生産を終了した『ミラ ジーノ』の後継モデルともいえるクルマだが、見た目のイメージなどは『ムーヴ ラテ』の後継車のようにも思える。
近年の日産には、印象深いデザインの車種がいくつもあるが、またしてもそれを象徴する1台が出てきた。日本車離れした雰囲気もあるし、いまやピンからキリまでさまざまなタイプが存在する世のSUVの中でも、ひときわ異彩を放っている。
一時の勢いを失ったボルボブランドの、復活ののろしになり得るモデルだと私は思っている。ブランドが元気を無くしたのは、現行型『V70』の上級志向の度が過ぎたからだ。