いまやユーザーの平均年齢が著しく高いセダンにおいて、トランクの広さは最重要課題だろう。だってせっかくハイブリッドにして「俺もそろそろ環境を考えようと思ってね」と言おうにも、お友達であるゴルフ仲間のバッグが4つ入らなければ、クルマを見せる機会はないのだから。だから『LS』でも『GS』でもなく、『HS250h』の存在は重要なのである。
ちょっと高めの天井で、後部座席も十分に広く、これならゴルフ仲間もゆったりくつろいでくれることだろう。こんなに斬新にしちゃって大丈夫なの? と心配するインテリア、特にシフトレバー周辺の未来的なデザインも、同乗したゴルフ仲間に「あれ、これハイブリッド?」と言わせる為のお膳立てとしては申し分ない。
2.4リットルエンジンでありながら、10・15モード燃費23km/リットルというのはすばらしい。燃費がよければ遠出も苦にならず、どんどん外出してくれることだろう。亭主元気で留守がいいと願う団塊の世代妻にも、きっと歓迎されると思う。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★
岩貞るみこ|モータージャーナリスト
1962年横浜市出身。いま一番購買力があるとされるアラフィー世代を代弁する軽妙な論調に定評あり。交通安全啓蒙に力を注ぐほか、子供たちに命の大切さを伝えるノンフィクション作家としても活動。近著に『ハチ公物語 - 待ちつづけた犬 -』(講談社青い鳥文庫)。