ルーフがソフトトップからメタルトップに変わったことで、いろいろなメリットが得られた。クローズドのときの静粛性や快適性が大きく向上したほか、ガラス面積を大きくとることができて視界が拡大されたのも良い点。ルーフを閉じた状態でもカッコ良いデザインに仕上げられている。
試乗した「sDrive35i」に搭載される直列6気筒3.0リットルの直噴バラレルツインターボは、今では『1シリーズ』から『7シリーズ』まで幅広いモデルに搭載されるBMWの主力エンジンで、そのパワーフィールはすでに定評があるところ。低速域から力強いトルクを発生し、アクセルワークに合わせて滑らかに吹き上がり、気持ち良くパワーが盛り上がっていく。いいクルマに乗っていることが実感できるエンジンだ。7速「DCT」の素早く滑らかな変速フィールもとても気持ちが良い。
試乗車にはオプションのアダプティブMサスペンションが装着されていて、とてもしっかりした乗り味を実現していた。このフォトワークの軽快さもBMWならではだ。驚いたのは前後で異なるサイズが装着された偏平タイヤがポテンザのランフラットであったこと。初期のランフラットにあったゴツゴツ感は完全に解消され、ランフラットタイヤであることに気付かないくらいに乗り心地が良く、快適な走りが得られた。
■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★
松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。