キャンピングカーを移動式休憩所として導入 西武鉄道が酷暑下の熱中症対策

バンテック・コルドバンクス4.11
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西武鉄道(本社:埼玉県所沢市)は、酷暑期における現場作業員の熱中症対策として、キャンピングカーを活用した移動式休憩所を2026年春から本格導入した。

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鉄道係員は保線作業や施設管理など屋外での作業が多く、線路上では日影が少ない。西武秩父線などの山岳区間を抱える同社では、係員が休憩できる場所が限られるという課題もあった。

2025年夏に約1か月間のトライアル導入を実施したところ、「夏場の暑い時期に快適に休憩できる」「休憩場所まで移動が不要なので作業効率が上がる」といった肯定的な声が係員から上がり、本格導入を決定した。鉄道会社によるこうした取り組みは珍しいとしている。

●移動式休憩所の概要

導入した車両はバンテック『コルドバンクス4.11』(トヨタ『カムロード』に架装)で、定員は6名。車内には冷蔵庫、エアコン、ヒーター、電子レンジ、トイレなどを備える。

酷暑時・厳冬期の現場休憩のほか、夜間作業時の待機場所、数日にわたる現場調査の拠点、各種イベントの受付・待機場所、台風や降雪時などの有事対応にも活用する想定だ。

●その他の熱中症対策

西武鉄道は移動式休憩所の導入に加え、複数の熱中症対策を実施している。

2024年7月からは「熱中症対策ウォッチ」を導入し、技術系現業係員約650人が着用している(2025年度現在)。作業中の深部体温の変化をリアルタイムで推定し、体温上昇をアラートで知らせる仕組みだ。

また、熱中症の自覚症状がある係員や、異変に気づいた係員がいつでも申告できるよう、デジタルデバイスを活用した報告体制も整備している。

●酷暑と法規制の背景

2025年夏(6~8月)は歴代最高気温を観測し、猛暑日や40℃以上の延べ地点数の記録も更新した。気象庁は2026年2月27日から3月29日にかけてアンケートを実施し、最高気温が40℃以上の日の名称を「酷暑日」に決定している。

国際労働機関(ILO)は、酷暑に伴う「熱ストレス」により全世界で3610億ドル(約56兆円)の経済的損失が生じると試算し、対策を「緊急を要する課題」と位置づけている。

こうした状況を受け、2025年6月1日には改正労働安全衛生規則が施行され、事業者に対して熱中症の体制整備・手順作成・関係者への周知が義務付けられた。

西武鉄道は2026年3月9日付で「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)」の認定を取得しており、6年連続6回目の認定となった。

《高木啓》

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