ホンダは11月6日、小型EV『Super-ONE Prototype』のダイナミクス技術の概要を発表した。
ジャパンモビリティショー2025で初公開されたSuper-ONE Prototypeの量産モデルは、2026年より日本を皮切りに、小型EVのニーズの高い英国やアジア各国などで発売を予定している。
量産モデルの車名は地域によって異なる。日本やアジア大洋州では『Super-ONE』、アジア大洋州の一部の国では「Honda Super-ONE」、英国では『Super-N』として発売予定だ。
グランドコンセプトに「e: Dash BOOSTER(イー ダッシュ ブースター)」を掲げ、車内での体験を豊かにする多彩な仕掛けを採用することで、日常の移動を刺激的で気持ちの高ぶる体験へと進化させることを目指している。
軽自動車の「Nシリーズ」として進化させてきた軽量なプラットフォームをベースに、トレッド・フェンダーを拡幅した専用シャシーを採用することで全幅を拡大した。また、EVの主要部品である薄型バッテリーを床下中央に配置することで重量物の集中化と低重心化を図り、Aセグメントの小型EVとしてクラス最軽量レベルの車両重量と、従来のガソリン車の小型車を上回る低重心を実現した。
これらの特性により、ドライバーの操作に対して俊敏に反応し、カーブ走行時にも安定した操縦の応答性を維持。意のままで安心感のあるハンドリング性能を提供する。
Super-ONE Prototypeの量産モデルには、専用開発の走行モード「BOOST(ブースト)モード」を搭載する。このモードでは出力を拡大しパワーユニットの性能を最大限に引き出すとともに、仮想有段シフト制御とアクティブサウンドコントロールシステムの連動により、あたかも有段変速機を備えたエンジン車のような迫力あるサウンドと鋭いシフトフィーリングを演出する。
仮想有段シフト制御では、アクセルなどの運転操作や、車速・旋回時の車両挙動などの走行状態をもとに仮想のエンジン回転数やギア段をリアルタイムに演算。駆動力やレスポンスを最適に制御することで、クルマとの一体感ある走りを実現する。
さらに、加速時のキックダウンによるショックや、エンジンを保護し回転数を適切に制御するために燃料供給を一時的に停止するフューエルカットの挙動を仮想的に再現。長年にわたるガソリン車開発で培った走行フィールをEVに融合させた。
このように、Super-ONE向けに専用開発した遊び心あふれる新技術の数々により、EVならではのスムーズでリニアな加速感と、ガソリン車ならではの走りの高揚感を合わせ持つ、Super-ONE独自の操る喜びを実現することを目指している。





