【スズキ クロスビー 改良新型】サイドシルエットとカラーで表現したSUVらしい「格好良さ」とは

スズキ クロスビー 改良新型のデザインスケッチ
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  • スズキ商品企画本部四輪デザイン部エクステリア課主任の福島耕一郎さん
  • スズキ クロスビー 改良新型
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スズキは小型SUVの『クロスビー』を大幅改良し10月2日より販売を開始した。改良の大きな目的は軽SUV『ハスラー』との差別化を明確にし、スズキの小型SUVラインナップのポジションを見直すことにあった。

【画像】スズキ クロスビー 改良新型のエクステリアデザイン

フルモデルチェンジ級とも言われる今回の改良の中でも、目玉はデザインの刷新だ。今回はそのエクステリアデザインについて、こだわりや特徴をデザイナーに直撃した。

スズキ商品企画本部四輪デザイン部エクステリア課主任の福島耕一郎さんスズキ商品企画本部四輪デザイン部エクステリア課主任の福島耕一郎さん

◆サイドシルエットで表現した「格好良さ」

「エクステリアではとにかく可愛いいメージから格好良い、スポーティーなど、よりSUVクロスオーバーの方向にシフトしたデザインという狙いでした」と話すのは、スズキ商品企画本部四輪デザイン部エクステリア課主任の福島耕一郎さんだ。

「先代クロスビーは“コロリン”としたアイコニックな形だったところから、SUVクロスオーバーのイメージを強調するために、力強さやタフさを表現することが求められていました。可愛らしさを全くなくすということではありませんし、特にクロスビーでは大事なワードでもありますのでしっかりと継承しながら、少し格好良い方向にシフトしていくことが狙いです」

「格好良さ」について具体的には、サイドビューのシルエットを例に挙げる。「先代は前に向かって下がっていき、全体のシルエットも丸いんですが、新型ではフェンダー上部をストレートに水平に前後に伸ばすことで、より直線的でボクシーにしています」という。また、ヘッドランプも、わかりやすい丸モチーフだったものを、頂部をカットして睨みを利かせ、目力を力強く見せられるような処理とすることで格好良さを表現した。こうした処理を散りばめることで「限られた寸法の中で少しでも大きく見せるようにした」と説明する。

スズキ クロスビー 改良新型スズキ クロスビー 改良新型

さらにフロントフェンダーがブリスター風に膨らんでいるところも特徴的だ。福島さんは「クロスビーの特徴のひとつ」とし、「フロントフェンダーは変更しましたが、変更のないサイドと相性のいいように綺麗につなげました」と話す。ちなみにAピラー以前は変わっているが、ドアパネルやリアフェンダーは従来のままとのことだ。

リアではルーフスポイラーが大型化されシルエットが変わった。この変更もよりサイズを大きく見せるポイントだと福島さんは話す。後ろに向かって延長されているが、空力性能の向上だけでなくスタイリング的にもより長く見せることができ、「クルマのサイズ感が大きく見えて、全然違う印象になったと思います」と語った。

今回の改良のねらいのひとつが「ハスラーから距離を置くこと」だったことが開発責任者の話から明らかになっている。デザインについても、初代を踏襲する考えは「一切なかった」と福島さんは打ち明ける。「ハスラーとクロスビーの印象は似ているかもしれませえんが、時間が経つにつれてキャラクターがどんどん分かれてきたんです。それぞれのキャラクターをしっかり育てていこうという考えでデザインしました」。結果、大きくイメージチェンジすることに成功した。

スズキ クロスビー 従来モデルスズキ クロスビー 従来モデルスズキ クロスビー 改良新型スズキ クロスビー 改良新型

◆可愛らしさは「角丸形状」とフロントグリルに

一方で、「可愛さ」はフロントグリルのクロームの使い方で表現した。「先代は横基調のものだったのに対して、新型はホットスタンプという技法を用いてドットパターンにしました。個性的な見た目になったので、アイキャッチになればいいかなと考えています」と福島さん。

もうひとつエクステリアでは“角丸形状”が多く使われていることも特徴だ。「タフを表現するために、完全な四角にしてしまうとボディとの相性が良くない。角を取って、でもちょっと力を感じられるようなイメージで、至る所にモチーフとして使っています」と説明する。

スズキ クロスビー 改良新型スズキ クロスビー 改良新型

また特徴的なホイールも福島さんのこだわり。「クロスビーの“X”をモチーフにしてデザインしました。そうすることでクルマ全体をトータルでコーディネートできました」という。

新型クロスビーでは新色の「ミスティックブルー」が追加された。もともとクロスビーは「アイボリー」や「カーキ」などのアースカラー系が人気だった。そこにブルー系を加えることで、SUV・クロスオーバーらしさを表現した。

また新たな2トーンカラーも同様だ。「ブラックタフ2トーン」と呼ぶもので、先代の3トーンに置き換わるものとして設定したという。「下回りとルーフを黒くして、ボディカラーを挟むことによってタフさや力強さを表現しています」と福島さんは説明した。

スズキ クロスビー 改良新型スズキ クロスビー 改良新型
《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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