さらば「プロジェクトBIG-1」、ようこそ「Eクラッチ」、ホンダが描くバイクの“新世界”…大阪モーターサイクルショー2025

ホンダ CB1300スーパーフォア SP ファイナルエディション(左)と、レブル250 Eクラッチ(右)
  • ホンダ CB1300スーパーフォア SP ファイナルエディション(左)と、レブル250 Eクラッチ(右)
  • ホンダ CB1300スーパーフォア SP ファイナルエディション
  • ホンダ CB1300スーパーフォア SP ファイナルエディション
  • ホンダ CB1300スーパーフォア SP ファイナルエディション
  • ホンダ CB1300スーパーフォア SP ファイナルエディション
  • ホンダ CB1300スーパーフォア SP ファイナルエディション
  • ホンダ CB1300スーパーフォア SP ファイナルエディション
  • ホンダ CB1300スーパーフォア SP ファイナルエディション

「CB-F」復活のニュースに盛りあがる「大阪モーターサイクルショー2025」のホンダブース。21日に開幕した同ショーでの注目モデルはまだまだある。1台は、惜しまれつつも生産終了が発表された『CB1300スーパーフォア』最終モデル、そしてもう1台がホンダ最新のトランスミッション「Eクラッチ」を搭載した人気モデル『レブル250 Eクラッチ』だ。

ある意味、対局とも言えるこの2台を、プロレーサーでありテストライダーの丸山浩氏が解説&レポートする。

◆ベテランにこそ乗ってほしい、最後の「プロジェクトBIG-1」

ホンダ CB1300スーパーフォア SP ファイナルエディションホンダ CB1300スーパーフォア SP ファイナルエディション

まずは1992年の『CB1000スーパーフォア』以来、33年間も続いてきた「プロジェクトBIG-1」の最後を締めくくる『CB1300スーパーフォア SP ファイナルエディション』だ。

「プロジェクトBIG-1」とは、“新しい時代にふさわしいホンダのロードスポーツモデルはどうあるべきか”を徹底追求し、水冷・4ストローク・DOHC・直列4気筒エンジンを搭載、その体躯はあくまでもセクシー&ワイルドであること、走る者の心を魅了する感動性能を有することを基本コンセプトとした。

今回のSP ファイナルエディションは車体色におなじみホワイトとレッドの“サンビームホワイト”を採用しており、この深い色のレッドやタンクのHONDAロゴの入り方など初代BIG-1のイメージと同じ。そしてタンク上面には特製マークが入っている。

ホンダ CB1300スーパーフォア SP ファイナルエディションホンダ CB1300スーパーフォア SP ファイナルエディション

それだけでなく現行モデルではブラックとなっていたフロントのステムまわりやスイングアームも初代BIG-1のようなシルバー仕上げとしている。2022年の30周年アニバーサリー車のような赤フレーム&ゴールドホイールといった派手さは無いけれど、あえてシンプルな今回のカラーリングの方がいかにもBIG-1らしい。さらにSPでは前後オーリンズにブレンボのブレーキキャリパーも装備。ここは筆者の『CB1000スーパーフォア』もレース用にカスタムしていた組み合わせと同じなので、実に懐かしさを覚える。

軽くて速い『ホーネット1000』がベースとなる『CB1000F Concept』は、これからCB乗りになる若い人やビギナーでも入っていけるような間口の広さがあるけれど、CB1300はやっぱりベテランにこそ乗ってほしい1台だ。

ホンダ CB1300スーパーフォア SP ファイナルエディションホンダ CB1300スーパーフォア SP ファイナルエディション

33年前にモーターショーの展示台に置いてあったCB1000スーパーフォアを見たときは「こんなバカでかいマシンに誰が乗るんだ」という本田宗一郎氏の言葉を思い出しつつ「これを乗りこなせたらカッコイイじゃん」とレースまでやってしまった私としては、CB1300の良いところはこの“バカでかさ感”を無くさなかったところだと思っている。しかも260kg以上ある車重とパワーのバランスが素晴らしく、大きくて重くてもスポーティなバイクであるということを忘れていない。

「お前、乗りこなせるのかよ」と訴えかけるようなこのバイクの雰囲気を一度味わったら、それはもう。このボリューム感で颯爽と走り去っていく後ろ姿は、その見た目だけでもマウントが取れてしまうほど。初代BIG-1でさんざんレースをやってきた自分としては、何故これで最後にしなきゃいけないのかと未だに思ってしまうのだ。

◆「Eクラッチ」搭載&ポジション・シート変更でもっと多くの人が楽しめるレブルに

ホンダ レブル250 Eクラッチホンダ レブル250 Eクラッチ

もう1台は、1月に一部変更の新型となり、3月13日にはEクラッチ仕様も追加発売されたレブル250。変更内容としてはハンドル形状の見直しによるポジションの最適化とシート内部の素材見直しによる快適性の向上だ。

ハンドルは幅を従来より10mm短くなった810mmとしたほか、ちょっとアップ&手前の位置に。レブル250はクルーザーっぽさを大事にしたカッコいい乗車スタイルが持ち味なのだが、これまでは身長160cm以下の女性など小柄な人が乗るとUターンする時にちょっとハンドルが遠くて大変かなという場面があった。

今回のモデルチェンジはそれを解消したという感じ。従来はちょっと前傾するようなワルっぽいポジションだったが、新型では足を投げ出すリラックスポジション感が増していた。

ホンダ レブル250 Eクラッチホンダ レブル250 Eクラッチ

注目のE-クラッチについてはエンジン右側にモーターボックスを装備。走っていて邪魔にならないか心配だったが、足の内側に一応ちょっとは当たるもののほとんど気にならず、もともとレブルは足を開いて乗るようなスタイルも許していたのでそこは問題ないと見た。もともとクラッチレバーはMT仕様でも軽かったけれど、スタートや渋滞の中でレバーを一切使わず走ることができるというのは、すごく楽チンになってもっと多くの人が気軽に乗れるようになると思う。

なお、今回の展示車はサイドバッグやタンデム用のバックレスト、リヤキャリアにスクリーンなどなど純正オプションも満載。車体左側にETC車載器をキレイに収納できる専用ボックスも装着していた。こちらはメインキー共通のロック付きで防犯性の高さも注目だ。

ホンダ レブル250 Eクラッチホンダ レブル250 Eクラッチ

丸山浩|プロレーサー、テストライダー・ドライバー
1988年から2輪専門誌のテスターとして活動する傍ら、国際A級ライダーとして全日本ロード、鈴鹿8耐などに参戦。97年より4輪レースシーンにもチャレンジ。スーパー耐久シリーズで優勝を収めるなど、現在でも2輪4輪レースに参戦し続けている。また同時にサーキット走行会やレースイベントをプロデュース。地上波で放送された「MOTOR STATION TV」の放送製作を皮切りに、ビデオ、DVD、BS放送、そして現在はYouTubeでコンテンツを制作、放映している。また自ら興したレースメンテナンス会社、株式会社WITH MEの現会長として、自社製品、販売車両のテストライド、ドライブを日々行っている。身長は168cm。

《丸山浩》

丸山浩

丸山浩|プロレーサー、テストライダー・ドライバー 1988年から2輪専門誌のテスターとして活動する傍ら、国際A級ライダーとして全日本ロード、鈴鹿8耐などに参戦。97年より4輪レースシーンにもチャレンジ。スーパー耐久シリーズで優勝を収めるなど、現在でも2輪4輪レースに参戦し続けている。また同時にサーキット走行会やレースイベントをプロデュース。地上波で放送された「MOTOR STATION TV」の放送製作を皮切りに、ビデオ、DVD、BS放送、そして現在はYouTubeでコンテンツを制作、放映している。また自ら興したレースメンテナンス会社、株式会社WITH MEの現会長として、自社製品、販売車両のテストライド、ドライブを日々行っている。身長は168cm。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

教えて!はじめてEV

特集