【インディ500】ジョセフ・ニューガーデンが劇的に連覇…佐藤琢磨は14位

第108回インディ500を制した#2 ジョセフ・ニューガーデン。
  • 第108回インディ500を制した#2 ジョセフ・ニューガーデン。
  • 第108回インディ500を制した#2 ジョセフ・ニューガーデン。
  • #75 佐藤琢磨は14位。
  • 3度目の優勝を目指して戦った佐藤琢磨。
  • 3度目の優勝を目指して戦った佐藤琢磨。
  • 3度目の優勝を目指して戦った佐藤琢磨。
  • #75 佐藤琢磨
  • #2 ニューガーデンと#5 オワードの激闘。

世界3大レースのひとつに数えられる「インディ500」の第108回大会決勝が現地26日に実施され、ジョセフ・ニューガーデンが終盤の激闘を制して2年連続優勝を飾った。3度目の優勝を狙った佐藤琢磨は14位フィニッシュ。

◆悪天候で大幅に遅れたレーススタート

2024年のインディ500決勝は、荒天の影響で開始が4時間も遅れることになった。ようやく始まったレースでは、いきなり多重クラッシュが発生。こうしたアクシデント等によるフルコースイエロー(非競争状態)の回数が多い印象のなか、200周のレースは進んでいった。

シボレー勢対ホンダ勢という観点では今回のインディ500、万事にほぼシボレー勢優位な展開だったといえよう。特にシボレー勢の最強陣営「チーム・ペンスキー」は予選1-2-3でグリッド最前列を独占したほどである(インディ500のグリッドは各列3台)。

インディ500の決勝レースでは最後の最後まで接戦が続くことも珍しくないが、第108回大会もそうなった。最終盤、栄冠をかけたトップバトルを演じたのは、#2 ジョセフ・ニューガーデン(ペンスキー)と#5 パト・オワード(ARROWマクラーレン/シボレー)。最終周に入るところで#5 オワードが#2 ニューガーデンの前に出る。しかしターン3で外から#2 ニューガーデンが抜き返し、決着のフィニッシュラインへ。

◆ニューガーデン、史上初となる3連覇への挑戦権を獲得

激闘を制し、ニューガーデンが2年連続2回目の優勝を飾った。オワードはインディ500初制覇を目前で逃すという、無念の結末に泣くこととなった。

ジョセフ・ニューガーデンはアメリカ国籍の33歳。国際化著しいNTTインディカー・シリーズ(インディ500を含むアメリカ最高峰レースシリーズ)でアメリカ勢の旗頭ともいえる活躍を続けており、シリーズタイトル獲得2度、インディ500も昨年の第107回大会で初制覇を成し遂げていた(やはり最終周の逆転だった)。

インディ500の連覇はエリオ・カストロネベス(歴代最多タイの通算4勝)による2001~02年以来で22年ぶりの快挙。ニューガーデンは史上初となる3連覇への挑戦権をゲットしたのである。

◆琢磨は予選で10位と健闘も、決勝は14位フィニッシュ

今季はインディ500へのスポット参戦というかたちで、古巣チームの「レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング」に復帰した#75 佐藤琢磨(47歳)。2020年に自身2度目のインディ500優勝を飾った際の所属陣営で、予選においてはホンダ勢2番手となる10位に食い込む健闘を見せた。

しかし決勝では、2回のインディ500優勝経験を誇るドライバーとしての高い存在感を示すようなレース運びには至らず、15年連続15度目のインディ500挑戦は14位でのフィニッシュに。2017年、2020年に続く3度目の制覇はならなかった。

佐藤琢磨のコメント
「難しいレースだったことは間違いありませんが、チームには心からおめでとうと伝えたいですね。この5月を通じて、チームとして大きく前進できました。(自分の)ナンバー75のマシンも、みんなと一緒に非常にいい走りができました」

「今日は夕方になって少し涼しくなったとき、ストレート上では残念ながらドラッグが大きめだったような気がしています。スピードが思ったほど伸びませんでしたね。一方でスティントの半ばではとても強力でした。あるときは集団の後方まで移動しなければいけませんでしたが、そこから力強く挽回できたので、メカニックたちがしてくれたことには誇りを感じています」

「最終的な成績は僕たちの期待には届きませんでしたが、この結果を喜ぶとともに、ポジティブに受けとめ、さらに前進したいと思っています。このチームで再び走る機会を与えてくれた(首脳陣の)ボビー、マイク、デイヴィドの3人にも心からお礼を申し上げます。タイトルスポンサーのアマダを始め、パナソニック・オートモーティブ、ニテラ、デロイト・トーマツ、NAC、そしてホンダといった各企業に支援していただいたことにも深くお礼申し上げます」

◆もうひとつの世界3大レース、モナコでは角田が8位入賞

さて、世界3大レースといえば、インディ500にルマン24時間レース、そしてF1モナコGPとされるが、インディ500とモナコGPは同日決勝となることが多く、今年もそのパターンだった。

モナコGPではモナコ出身のシャルル・ルクレール(フェラーリ)が悲願の母国GP初制覇を達成(今季初優勝、通算6勝目)。ちなみにマクラーレン(パワーユニット=PUはメルセデス)はこちらでも2位(オスカー・ピアストリ)に敗れるという、世界3大レースのふたつで同日準優勝という一日だった。さらに言うと、フォーミュラEの第12戦・上海でもマクラーレン(ドライブトレーンは日産)はこの日、2位(ジェイク・ヒューズ)に甘んじている。

F1のドライバーズタイトル3連覇中で今季もポイントランキング首位を走っているマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダRBPT)はモナコGP6位。F1参戦4年目、所属陣営のチーム名が今季は「Visa Cash App RB F1 Team」(PUはホンダRBPT)に変わった角田裕毅は8位に入り、モナコでの自身初入賞となった。今季の角田は予選トップ10(Q3)進出や決勝10位以内入賞を連発しており、ドライバーズランキング10位と善戦している。

世界3大レースの残りひとつ、ルマン24時間レース(2024年世界耐久選手権=WECの第4戦)は現地6月15~16日決勝の日程で開催される。

(*レース結果等は日本時間2024年5月27日14時現在)

《遠藤俊幸》

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