ヤマハ発動機は、MTシリーズの末弟となる原付2種スポーツネイキッド『MT-125 ABS』を11月10日に発売する。価格は49万5000円。

近年各社から変速ギア付きスポーツ車の投入があり、新しいライフスタイルの広がりも相まって、国内の原付2種の変速ギア付モデルの出荷台数は2019年以降増加傾向にある。中でも20代を中心とするエントリー層の増加が顕著だ。そんな中、ヤマハ発動機は今春、大阪・東京・名古屋で開催されたモーターサイクルショーで原付二種スポーツ『YZF-R125』『MT-125』『XSR125』を出展。近い将来の市販化を示唆し、会場の注目を集めていた。スーパースポーツスタイルのYZF-R125は10月16日に発売。これに続いて、ネイキッドモデルのMT-125が11月10日に発売となる。
MT-125は、MTシリーズの末弟として「The most AGILE youngest MT」をコンセプトに開発。「アジャイル(素早い・機敏な)な加速性能」「俊敏なハンドリング」「MTらしさを突き詰めたTorque×Agileを表現したデザイン」という3要素を高次元で調和させ、MTの名にふさわしい性能とスタイルを実現した。また、MTの名に見合ったパフォーマンスを備えながらも、エントリーモデルとして若年層が受け入れやすい価格を設定。MTシリーズのラインナップ充実とともにエントリー層にとっての選択肢を広げる。
◆ハイパフォーマンス型VVA搭載124ccエンジンでアジャイルな加速を実現

パワーユニットは最高出力15ps/最大トルク12Nmを発生する124cc水冷SOHC・4バルブ・FIエンジンと6速MTを組み合わせる。低速向けと中高速向けのカム(吸気側)が7400rpmで切り替わるVVA(可変バルブ)により、全域で優れたトルク特性を発揮し、アジャイルな加速性能を実現する。なおラジエターは、水温に応じて冷却水の循環経路を切り替えるバイパス式サーモスタット方式とし、暖機時間が短く燃費性に貢献する。
またクラッチレバー操作荷重を軽減するとともに、減速時の急激なエンジンブレーキを軽減する、アシスト&スリッパ―クラッチを装備し、快適な操作性を実現。電子制御によるトラクションコントロールと相まって、発進・停止の多い渋滞路やロングツーリングでの疲労軽減にも寄与している。
エキゾーストシステムには三元触媒を内臓する3段膨張マフラーを搭載。エンジンの高い排気効率を叶えるほか、コンパクトなショートスタイルのサイレンサーは、特にエンジン高回転域での透明感のあるサウンドを奏でる。
◆剛性バランスに優れた軽量スリムな車体

基本骨格には、軽さと強度剛性のバランスを図ったデルタボックス型フレームを採用。左右ピボットの軸間を209mmとワイドにし、強化部材を織り込むことで、優れた走行性を支えている。また、後端部をショートにした専用設計のリアフレームは、マス集中を持ち味とするMTのスタイルを具現化するとともに、フロントに加重しやすいモタードライクなライディングポジションを支える。
剛性に優れたインナーチューブ径37mm倒立式フロントサスペンションは、キャスター角を最適化することでクイックなハンドリングを発揮。ホイールサイズは前後ともに17インチを採用し、フロントブレーキには282mmの大径ディスクに2ポッドキャリパーを採用する。そのほか、アーム長とのバランスを図った軽量アルミ製リアアーム、ワイドなリアタイヤ(140/70-17)、前後幅を詰め上下にスペースを取った球形の新作燃料タンクにバーハンドルなどの組み合わせにより、アジャイルなハンドリングを実現している。
◆インフォメーションを一目で確認できるディスプレイ
ネガティブ表示LCDディスプレイによるフル液晶メーターは、スピードメーター、タコメーター、ギアインジケータ―をメイン表示。オドメーター、ガソリンメーター、時計も同じ液晶内に備えることで、マルチな情報を一目で視認できる。またハンドルはMTシリーズに共通するバーハンドルを採用。剛性の高いアルミキャスト製ハンドルクラウンと相まって俊敏な走行スタイルに寄与している。
フロントマスクの中央には凝縮感あるコンパクトなLEDプロジェクターヘッドランプを配置。その上部にはLEDポジションランプを備え、MTシリーズに共通するメカニカルなアドバンスデザインを演出している。コンパクトに凝縮された設計により、薄型で軽量なフロントマスクと軽快なハンドリングを実現した。

◆凝縮感ある上質なスタイリング
睨みを効かせたコンパクトなフェイスに、躍動感を強調するショートテール、ビッグバイクに引けを取らないエンジン周りの力強さ、エアダクトや新作燃料タンク&樹脂製タンクカバーなど、機能とリンクした凝縮感あるデザインで、シャープなフォルムとした。特に小排気量クラスでは大きくなりがちなヘッドランプ周りやリアシートは極限までコンパクトさを追求。加えて、同じパーツ内でのシボの使い分けやアルミパーツの採用など、質感や手触りにもこだわり、上位機種同等のディティールを併せ持っている。
カラーリングは「パステルダークグレー」「ディープパープリッシュブルーメタリックC」「マットダークグレーメタリック8」の3種類を用意する。パステルダークグレーはダークグレーを主体としたボディに、鮮やかなシアンを纏ったホイールとエアダクトを組み合わせることでMTシリーズの世界観を表現。ディープパープリッシュブルーメタリックCはオールブルーのコンビネーションでYZF-Rシリーズとのリレーションを図った。マットダークグレーメタリック8は、どんな場所や風景においても馴染みやすいカラーとなっている。
