【DS 3 クロスバック オペラ 新型試乗】高級の概念を理解するのはかくも難しい…中村孝仁

まだまだオワコンじゃないディーゼルエンジン

運動性能やハンドリングに高級感を感じるのは無理がある

大きさと権威に弱い庶民派としては…

DS 3 クロスバック・オペラ BlueHDi
  • DS 3 クロスバック・オペラ BlueHDi
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DSオートモビルはシトロエンからスピンアウトして、PSA内における高級ブランドとして独立したブランドだ。DSの名はご存じの通り「シトロエンDS」に通じるもので、それに由来すると考えるのが普通だが、どうも他の意味合いもあるとか。それはともかくとしてパリに生産工場を持っていたシトロエンらしいパリの香りをそのまま受け継ぎ、このパリを一つのキーワードとしてデザインされたクルマがDSなのである。

本国ではすでにクロスバックの名が取れて単に『DS 3』とのみ呼ばれるモデルになったが、その中身は変わらない。そして軽油の安い日本市場にとっては好都合なディーゼルエンジンを搭載した『DS 3 クロスバック・オペラ BlueHDi』が導入されたので試乗することにした。

◆まだまだオワコンじゃないディーゼルエンジン

DS 3 クロスバック・オペラ BlueHDiDS 3 クロスバック・オペラ BlueHDi

DS 3 クロスバックにはこのディーゼルの他にピュアテックの名を持つガソリンエンジン搭載車と、E-TENCEの名を持つBEVモデルが存在する。ガソリンにしてもBEVにしても、その静粛性はディーゼルモデルを圧倒してスムーズさでも圧倒する。そうした意味でディーゼルを除いたモデルの走りからは、ある種の高級感は感じられるのだが、これがコンパクトモデルのディーゼルとなるとどうなのか、正直言えば一抹の不安があった。

というのもこのクルマに搭載されている1.5リットルのBlueHDi、PSAの各ブランドで広く使われているエンジンで、現時点では唯一のディーゼルエンジンでもある。このエンジンを搭載したモデルが実は我が家の足でもあって、一応このエンジンの良さも悪さも知り尽くしているつもりだったから、これが高級という概念に馴染むのかという不安があったわけである。

で、結論から言うと流石にいつまでも同じということではなく、オワコンと思われる内燃エンジンもちょっづつ進化しているし、今さらと思う新開発エンジンもマツダのみならず、同じステランティスからツインターボの直6がデビューするなど、まだまだオワコンじゃないところを見せつける。でこのエンジンが我が家のそれとは違うところは、コースティング機能を装備していること。これ、今年の5月に試乗したシトロエン『C4』にも装備されていたので、どうやらこの辺りから変わっているようである。

比較的低速域でもアクセルをオフにするとエンジンはアイドリング状態となる。さすがにVWのように止めるところまではいっていないが、まあ静粛性と燃費性能の一助になっていることは間違いない。

◆運動性能やハンドリングに高級感を感じるのは無理がある

DS 3 クロスバック・オペラ BlueHDiDS 3 クロスバック・オペラ BlueHDi

運動性能やハンドリングについては、正直言って高級感を感じるのは無理がある。デビューした当時は最新のプラットフォームだったのかもしれないが、今となってはPSAの多くのモデルがこのプラットフォームを使っているし、仮にサブフレームなどの素材が違っていたとして、その繊細な違いを最近は鈍感になったのか、このクルマから感じ取ることはできなかった。至って普通に良く走り快適ではあるが…。

DSはそのモノ作りについて「サヴォアフェール」という言葉を使って表現している。DS的には「伝統に革新を織り交ぜた、パリのものづくりの技と美学」ということだそうだ。ただ、この単語を使うのは長い歴史や伝統を持つファッション、ジュエリーブランドに限られるそうだから、フランスの高級ファッションブランドと聞けばすぐにもいくつかの名前が思い浮かぶから、まさに高級そのもの。

デザインの一つ一つをとってもまあ凝った作りをしている。ただ、その凝った作りが必ずしも使い勝手と一致しない点もあって、例えばシフトレバー両脇に設置されたパワーウィンドースイッチなどはその典型。ついついドアに手をやって、「ああここには無いんだ」と思い直して操作することになる。まあ、このクルマしか持たず、慣れてしまえば話は別なのかもしれない。

DS 3 クロスバック・オペラ BlueHDiDS 3 クロスバック・オペラ BlueHDi

◆大きさと権威に弱い庶民派としては…

これ以外のスイッチの配置やデザインもやはり独特のコンパクトカーらしくないオーラを放っていることは間違いないのだが、どうも庶民のいけない癖で、それを値段で推し量ってしまうところに問題があるようである。何故なら確かにデザインも使っている素材も十分に吟味されたもので、そこはかとない良さは感じるのだけれど、オプションを含めたこのクルマの値段が542万7480円(車両本体は507万円)と言うところにどうしても引っかかってしまうのである。

因みに最新鋭のシトロエン『C5 X』のガソリン仕様車はオプション込みで541万715円(車両本体は530万円)ということで、大きさと権威に弱い庶民派としては躊躇なく後者、即ちシトロエンをチョイスしてしまう自分がいる。まあ、本当の高級をわかっていないということなのかもしれない。

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■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
おすすめ度:★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来45年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

《中村 孝仁》

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