今季F1で最強のレッドブル、6連勝での鈴鹿入り…王座目前のフェルスタッペン「僕たちはベストチーム」

日本GPへの意気込みなどを語った、レッドブルのマックス・フェルスタッペン(左)とセルジオ・ペレス。
  • 日本GPへの意気込みなどを語った、レッドブルのマックス・フェルスタッペン(左)とセルジオ・ペレス。
  • レッドブルのドライバー、マックス・フェルスタッペン。
  • レッドブルのドライバー、セルジオ・ペレス。
  • 両選手とも「チームワーク」が強さの源泉と語っている。
  • 王者の風格さえ漂うようになってきたマックス・フェルスタッペン(2022年オランダGP)。
  • 王者の風格さえ漂うようになってきたマックス・フェルスタッペン(2022年オランダGP)。
  • #1 マックス・フェルスタッペン(2022年オランダGP)
  • フェルスタッペンの“母国GP”2年連続制覇をチーム、観客らが一体になって祝う(2022年オランダGP)。

10月5日、「オラクル・レッドブル・レーシング(Oracle Red Bull Racing)」がF1日本GP(7~9日、鈴鹿サーキット)に向けてのメディアセッションを都内で実施。今季最強チームである「理由」が、マックス・フェルスタッペン、セルジオ・ペレスの両選手から語られた。

今季ここまでのレッドブルの活躍は素晴らしいの一語に尽きる。昨季、ルイス・ハミルトン(メルセデス)との激闘の末に自身初のドライバーズタイトル獲得を成したマックス・フェルスタッペン(オランダ国籍、25歳、F1参戦8年目)は、今季17戦11勝、鈴鹿で2連覇が決まる可能性も充分、という状況での来日となっている。第12~16戦においては自身キャリア最長の5連勝もマークした。

そして昨季からレッドブルで走っているセルジオ・ペレス(メキシコ国籍、32歳、F1参戦12年目)もいい仕事をしている。伝統のモナコGPで「あれはやはり特別だった」という勝利をあげ(モナコ初制覇、今季1勝目)、一時はフェルスタッペンと同門王座争いを本格的に展開しそうな勢いさえあった。中盤以降、僚友には引き離されてしまったが、鈴鹿前週の第17戦シンガポールGPで今季2勝目をあげ、チームの連勝を6に伸ばす殊勲を演じている。

レッドブルの6連勝は今季2度目。今季最長更新となる7連勝を鈴鹿で狙う(レッドブルの過去最長連勝は「9」)。

シーズン序盤こそフェラーリに流れがいきそうな今季だったが、レッドブルは目下17戦13勝、コンストラクターズタイトルに関しては鈴鹿での決定こそないが(手元計算)、9年ぶりの戴冠はほぼ確実と思われる情勢だ。今季からのレッドブルおよび姉妹チームのアルファタウリが搭載するパワーユニット(PU)、「レッドブル・パワートレインズ(RBPT)」のそれを“技術支援”するホンダにとっては「実質31年ぶりの獲得」になる、そんな解釈もできよう。

◆「鈴鹿のコースはもちろん、日本はファンも素晴らしい」と両ドライバー

レッドブルが、「レッドブル・ホンダ」として戦ったのは2019~21年(トロロッソ・ホンダ~アルファタウリ・ホンダは2018~21年)。つまり、レッドブルがホンダと共闘して走った日本GPは2019年の1度のみで、勝利することができておらず(トロロッソ・ホンダも18~19年の日本GPで勝てていない)、3年ぶりの開催はレッドブル陣営にとっても待望極まるものであった。

フェルスタッペン:「素晴らしい鈴鹿のコースでまた走れることが嬉しいよ。雨という予報もあるようだけれど(5日時点)、それも我々には刺激があっていいかもしれないね。日本ではファンからの素晴らしいリスペクトがあることも嬉しく思っている」

ペレス:「日本でのレースが戻ってきた、これはスーパーナイスなことだ。鈴鹿のコースがスペシャルなものであることはもちろん、日本では何が素晴らしいかといえば、それはファンの存在だよ」

異口同音に鈴鹿のコースと日本のファンの素晴らしさを讃える両ドライバー。コースの良さについても「特にファーストセクター」と一致しており、「ひとつの失敗がその後に響く難しさがある。それだけにミスは許されない」(フェルスタッペン)というスリリングさ、緊張感の高さが魅力のようだ(アルファタウリのドライバーたちも鈴鹿のファーストセクターの素晴らしさについて、ほぼ同義のことを語っている)。

◆ペレス「マシン自体のアドバンテージが大きいわけではないと思う」

今季のレッドブルはなぜ強いのか。答えがありそうでない問いに、フェルスタッペンはこう答えた。

「チームワークだ。僕たちは、みんなでベストなもの(マシンであり、結果)をつくりあげていこうとしている。今、僕たちがF1でベストなチームだと思う」

ここでもやはり、ペレスが同調した内容を話す(同じチームなのだから当然だろう)。

「マシン自体のアドバンテージが、フェラーリや他チームと比べて、ものすごく大きいわけではないと思う。チームワーク、その完成度の高さが僕たちの強みだと考えているよ」

確かにフェラーリは今季、マシンの速さを結果につなげられないような局面が目立つ。彼らもチームワークで様々な事柄に対処してはいるはずだが、ペレスの言うように、その完成度の部分でレッドブルに及ばないのだろう(ドタバタは、一時期を除いてフェラーリのお家芸、超名門ならではの宿命、などとも評されてきているが…)。

そういったところが、今季ここまでの「レッドブル13勝、フェラーリ4勝」というスコアの差になっていると考えられる。フェルスタッペンの「今の僕たちはベストチームだ」という言葉にも、重みがある。

◆フェルスタッペン「日本のファンのみなさんが楽しめるレースを」

鈴鹿での日本GPでレッドブルが狙うのは「我々がリードしてそのまま、という退屈なレースさ。いや、これは冗談(笑)」とフェルスタッペン。競技者としては半分ホンネであっても当然だと思うが、「もちろん1-2でレースを終えたいと考えている」と切り出し直してから、彼はこう続けた。

「ようやく日本で我々がレースをできるようになったんだから、観客のみなさんが楽しめる、エキサイティングなレースを見せたいと思っている」

フェルスタッペン戴冠決定の可能性もあるF1日本GPは、10月7~9日に鈴鹿サーキットで開催される。

《遠藤俊幸》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集