スズキの二輪車である『カタナ』のファンミーティングイベント、「カタナミーティング2022」が9月11日、静岡県浜松市のはままつフルーツパーク時之栖で開催された。主催はスズキ二輪だ。
蛇足かもしれないが説明しよう。『カタナ』とは、スズキが世界に誇るスポーツバイクのブランド。BMWのデザイナーだったハンス・ムートが率いるターゲットデザインが手がけた、日本刀がモチーフのプロトタイプが1980年のケルンモーターサイクルショーで公開され、翌年に欧州で「GSX1100Sカタナ」として発売された。これを皮切りに、改修を重ねて生産が続き、2000年のファイナルエディションでその歴史が一度途絶えるが、2018年に新型が公開されて復活した。
この新型が日本で発売された2019年に第1回が開催されたカタナミーティングだが、その後はコロナ禍の影響でオンライン開催に。第4回となる今回、ようやく3年ぶりのリアルイベント実施に漕ぎ着けたとあって、全国から数多くの来場者が集結した。
当日は、広い駐車場がカタナを中心にしたバイクで埋め尽くされる大盛況ぶり。2019年に100台限定販売された赤いカタナや、2001年に二輪レースの世界で名を轟かせるヨシムラが5台のみ製作したカスタムモデルの1135Rなど、希少車の周りには人だかりもできていた。

開場時刻の9時になると、炎天下にもかかわらず、1時間後の物販開始を待つ長蛇の列が。公式通販サイトのエスモールで事前販売された商品以外にも、イベントオリジナルグッズが多数用意され、カタナファンの熱視線を集めていた。
会場には、カタナオーナーが投稿した数多くの写真で製作された縦3.6m/横5.4mのビッグフラッグが設置されたほか、パーツメーカーなどがブースを出展。ブリヂストンやダンロップをはじめ、キジマ、シュアラスター、デイトナ、南海部品、ヒョウドウといった、バイク乗りにはおなじみの企業が軒を並べた。ヤマト運輸ブースには、二輪では持ち帰りきれないグッズを配送する来場者の姿も。

また、目を引いたのが天竜浜名湖鉄道のブース。会場最寄駅のネーミングライツをスズキ二輪が取得し、期間限定でフルーツパークKATANA駅と命名されたり、カタナをデザインに使用したラッピング電車が走ったり、何かと縁がある「天浜線」だけに、販売されるオリジナル硬券セットを買い求める来場者が列をなしていた。
物販の熱気もひと段落した頃、会場に颯爽と現れた1台の新型カタナが。そのライダーがヘルメットを取ると、なんとスズキの鈴木俊宏社長! 3年ぶりのリアル開催を「風になれる」と粋に表現した開会宣言に、会場の盛り上がりも最高潮! その後も駐車場を回り、カタナオーナーたちへ気さくに声を掛ける姿が印象的だった。
その後も、開発者によるトークショーをはじめ、もっとも遠方からの来場者を表彰する遠くから来たで賞、じゃんけん大会といった企画で終始盛り上がったカタナミーティング。来年もリアルイベントでの開催に期待がふくらむ。その時にはオーナーならずとも、カタナ好きならぜひとも足を運んでもらいたい。きっと忘れられない一日になるはずだ。
