グラムライツブランドにおいて、ドレスアップ主体の高いデザイン性を備えたシリーズが「AZURE(アズール)」。同シリーズから新たに登場した「57DNA」には“ハイブリッドマシニング”と呼ばれるレイズ独自の切削技術が込められた。ストーリーを感じさせるホイールデザインを堪能しよう。
SAV向けにドレスアップ指向を強めた、グラムライツのアズールシリーズに注目
gramLIGHTS AZURE 57DNA + TOYOTA HARRIERレイズを代表するスポーツブランドであるグラムライツ。ドリフトをはじめとしたサーキットでその名を馳せる、本物志向のスポーツホイールだ。ストリートでも軽量かつ高剛性のホイール設計、各部にスポーツを強く感じさせるデザインを取り入れて、ストリートシーンでもスポーツを標榜するユーザーから絶大な信頼を集める。
そんなグラムライツには「アズール」と呼ばれるシリーズが存在する。すでにグラムライツはスポーツホイールとして高い認知度を誇るブランドへと成長したが、その上で「もっとカッコいいデザインのグラムライツが欲しい」というニーズに応えてラインアップが始まったのが「グラムライツ・アズール」だ。
gramLIGHTS AZURE 57DNA + LEXUS NXターゲットとしたのはSAV(Sports Active Vehicle)。SUVやステーションワゴンといった、近年注目を集めるカテゴリーだ。そんなSAVによるカーライフをより豊かにするために生み出されたのがこのシリーズなのだ。
「アズール」とは青空をイメージしたネーミングであり、車好きが愛車に乗ってクルマでドライブしたり、イベントやドリフトなどのモータースポーツに出かけることをサポートすることを目的としてプロデュースされている。そのため従来のグラムライツ以上に、ドレスアップ主体でデザイン性に重きを置いたモデル群をラインアップするのが特徴だ。
新作デザインのアイコンとなるのは、複雑な切削を融合した“ハイブリッドマシニング”
「グラムライツ・アズール」からはこれまでも「57ANA、57BNA」などのヒットモデルを登場させてきたが、新たに登場したのが「57DNA」だ。デザイン性を高い次元で追求することが重要なテーマでもあるアズール・シリーズ。57DNAに込められたデザインアイコンは“ハイブリッドマシニング”だ。
複雑な切削によって角度による表情の違いが出てくる2×5のスポークデザインを基本にするが、スポーク天面を見ると豊かな表情を備えているのが分かるだろう。Y字形状のスポークのメインスポークとサブスポークは同一面の切削ではなく、わずかにサブスポークの方を低くした高低差が印象的。
メインとサブで高低差が付けられているさらにサブスポークの表面をよく見ると、通常の切削面でありがちな平坦な表面加工ではなく、表面が凹状に滑らかにえぐられているのが見て取れる。これは回転してスポークの光のうける角度が変わると、映り込むラインが刻々と変化する効果を狙ったハイレベルな造形でもあるのだ。
レイズ グラムライツから注目の新製品『アズール 57DNA』登場加えて、メインスポークのセンター付近には斜めに切削されたパートを備えているのにも注目して欲しい。切削時の刃の向きの関係から、天面の仕上がりとは明らかに異なる切削跡がぱっと見ると目に飛び込んで来る。まるでピストンに施される精密なクロスハッチのような表面フィニッシュは、デザインでスポーツを強く感じさせるグラムライツの伝統を受け継いでいることがわかる。
スポーツ感を押し出す表面フィニッシュ切削面を複数に分けて加工するという、複雑な表面処理を施した“ハイブリッドマシニング”。2次元・3次元の切削を巧みに使い分け、手が届く範囲の価格設定でありながら超高度な切削を実現しているのがグラムライツ・アズールならではの狙いだった。
ホイールでドレスアップを完結させるSAV、デザインや加工にストーリーが求められる
レイズ グラムライツ アズール 57DNAグラムライツ・アズールの新作である「57DNA」。シリーズコンセプトの通りSUVやステーションワゴンなどのSAVにフィットするデザインを込めて、ホイール単体として存在感を高めたのが魅力だ。そこでグラムライツ・アズールにここまでの複雑で高度な加工技術やハイレベルなデザイン性を込めた理由を、同ブランドのプロデューサーである執行役員 第一商品企画部 部長 加藤照幸氏に尋ねてみた。
「従来ドレスアップの主戦場であったミニバンは、タイヤ&ホイールに加えてエアロパーツをはじめとした外装パーツ群をトータルでコーディネートするのが一般的でした。しかし、近年注目を集めるSUVはエアロパーツなどの助けを借りることなく、タイヤ&ホイールの交換だけでドレスアップを完結することができるのが特徴です。」
「ただし、それだけにホイールに求められる要求は高くなります。つまり優れたデザイン性はもとより、独自の加工技術などを込めることでホイールに“ストーリー”を与えることが必要になるのです。つまり自分が履いているホイールを語れることがますます重要になってくると考えた結果が“57DNA”へと結実しているのです。」
スポークの流れるような美しさが目を惹く代表的なデザイン要素となったのが、先にも紹介したハイブリッドマシニング。比較的オーソドックスにも思える2×5のスポークデザインに対し、複数の切削をハイブリッドさせることで、独自のストーリーを感じさせるホイールへと昇華させた。
チラッと見て済ませてしまうデザインではなく、視線が釘付けになるほどデザインに深みがあり、クルマ好きが強く引きつけられるフォルムを手に入れたことこそが「57DNA」の最大の魅力。新時代のグラムライツを体現するアズールシリーズ。最新作となる「アズール 57DNA」はSAVを自分流の解釈で彩り、足もとにホイールよるストーリーを注入するのに絶好のニューモデルとなること間違いなし。