日野自動車は3月4日、小木曽聡社長と下義生会長が都内で緊急の記者会見を開き、日本市場向け車両用エンジンの排出ガスおよび燃費に関する認証申請で不正があったと発表した。
不正を確認したのは中型車向けエンジン1機種と大型車向けエンジン2機種で、同日、これら3機種を搭載する車両の出荷停止を決めた。このほか不正の有無は未確認だが、燃費性能での問題がある小型車用のエンジン1機種もあり、調査と対応を進めていく。
日野は2018年に北米向けエンジンにおける排ガス認証で課題を認識したことから、国内向けについても調査を進め、不正が分かった。下会長は同社が不正と認定した時期について「今年2月末」と明らかにした。中型車用エンジンについては、劣化した排ガス後処理装置の第2マフラーを途中で交換して試験を行うといった悪質な行為も確認している。
小木曽社長は、出荷停止となる車両の販売規模について「年間で2万2000台くらいであり、国内販売の35%程度を占める」と説明した。また、3機種のうち、現時点でリコールが必要と判断しているのは中型車用エンジンのみで、その累計販売は4万3000台になっていると指摘した。出荷を停止したいずれの車種も、使用しても安全上の問題はないとしている。
小木曽社長は会見で「お客様をはじめ、多くの方々に多大なるご迷惑とご心配をおかけすることに心よりお詫び申し上げる。コンプライス最優先を明確にしていきたい」と謝罪した。また、外部の有識者らによる「特別調査委員会」を立ち上げ、原因の解明や開発プロセスの改革など再発防止策を検討してもらう方針も示した。