着せ替えシール付きに「輸出用」も…こんな激レアカタログがありました【懐かしのカーカタログ】

“着せ替えシール”が付いていたトヨタ・イプサムのカタログ
  • “着せ替えシール”が付いていたトヨタ・イプサムのカタログ
  • VWザ・ビートル
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  • マツダ・ルーチェ(レガート)
  • 三菱ランサー・ターボ
  • トヨタ・ターセル4WD

珍しの(!?)カーカタログ

紙のカタログの味わいをお伝えしたくて始めた本企画。今回はノンジャンルで「ほほぉ」と思わせられた、珍しの(!?)カタログをご紹介したい。

ザ・ビートル

8色のボディカラーそれぞれを表紙にしたカタログが用意されたVW ザ・ビートル8色のボディカラーそれぞれを表紙にしたカタログが用意されたVW ザ・ビートル

『タイプ1』から数えると3代目に当たる『ザ・ビートル』。日本市場へは2012年に導入され、2019年に生産終了。残念ながら現在は中古車でしか手に入らないクルマとなった。写真のカタログは2016年のモノだが、何と8色のボディカラーそれぞれを表紙にしたカタログが、全8種類用意されていた。

ちなみに中身はまったく共通なので、表紙の色違いだけで作り分けていたのだった。筆者はこういう例で思い浮かぶのは、初代ユーノス『ロードスター』がカタログを新しくするごとにボディ色を次々と表紙の地色に使っていたくらいだが、何とも粋だった。

VWゴルフ

シールでアルミホイールのマッチングを試すことができたVWゴルフ7のカタログシールでアルミホイールのマッチングを試すことができたVWゴルフ7のカタログ

VW車でもう1台、7世代目のVW『ゴルフ』のカタログもご紹介したい。厳密に言うとアクセサリーカタログだが、その中のアルミホイールのページで、シール方式でクルマのサイドビューの写真に“シールのホイール”を貼り付けてマッチングが試せるようになっていた。

昔、ファッション系のクルマ雑誌でホイールの部分を自力でくりぬいてホイールの印刷の上に合わせて見ることができる仕掛けがあった。いまやコンピュータグラフィックで合成など容易い時代に、このアナログ感覚かつオマケ感覚は、何とも楽しませてくれた。

初代トヨタ・イプサム

イプサムのカタログは、ボディのストライプやミラーもシールで試せたイプサムのカタログは、ボディのストライプやミラーもシールで試せた

初代『イプサム』の登場は今からもう26年も前のことになる。ホンダ『オデッセイ』が口火を切った乗用車タイプのミニバンの人気車種として一世を風靡した。筆者もデビュー当時のワンメイク本で、トヨタの東富士テストコースで試乗、GOAボディのしっかり感に感銘を覚えた。で、迂闊にも26年後の最近になって発見したのが、カタログの巻末のポケットに挟み込んであったディーラーオプションカタログのシール。

VW『ゴルフ』と同じ方式で、ボディストライプ、メッキのドアミラーカバー、フォグランプなどのシールを貼って試せるようになっていた。当時のチーフエンジニアのKさんは発展型の『ガイア』も手がけ、「映画“タイタニック”のディテールの緻密な作り込みに感心した」と話をされていたのを覚えているが、このシールも氏のアイデアだったかどうか、訊けばよかった。

マツダ・ルーチェ(レガート)

マツダ・ルーチェ(レガート)マツダ・ルーチェ(レガート)

3代目『ルーチェ』の登場は1977年のこと。初代はG・ジウジアーロのスマートなスタイリングだったが、2代目、3代目ではアメリカ車指向に走り、とくにこの3代目は、縦に並べた角型4灯ヘッドライトが特徴だった。で、何が珍しかったか?というと、『ルーチェ・レガート』として登場した車名がクルマは同じまま『ルーチェ』に戻された点。カタログの表紙も修正されているが、これは型式指定上の問題から、ごく初期にあった2代目との併売がなくなったことによるもの。確かカタログのなかで、レガートの部分を印刷かシールで潰したものがあったと記憶している。

輸出仕様車

三菱ランサーターボ

三菱ランサー・ターボ三菱ランサー・ターボ

いくつか輸出仕様車のカタログもご紹介したい。まずは三菱『ランサーターボ』から。日本名は正しくは『ランサーEX』のターボで日本仕様のカタログは1981年10月のもの。ポイントはフロントの造形で、当時の日本仕様ではボディ一体のスポイラーが許されずエクステンションとして付いているのに対し、輸出仕様はスッキリとした一体型になっていた点。今見ても違いは歴然だが、フェンダーミラーと併せて輸出仕様が羨ましく見えた。逆さ文字は当時の流行りだが、輸出仕様は2000(日本仕様は1.8リットルだった)になっている。

トヨタ ターセル4WD

トヨタ・ターセル4WDトヨタ・ターセル4WD

もう1台はトヨタの『ターセル4WD』。ご存知のとおり日本名は『スプリンター・カリブ』だったクルマで、実態は『ターセル』系だったから、輸出仕様車のほうがより車名が実態に忠実だったともいえる。日本では2トーンのボディ色でおなじみだったから、モノトーンは新鮮というか、やや物足りなくも見える気がする。

トヨタ モデルF

トヨタ・モデルFトヨタ・モデルF

最後はトヨタ『モデルF』。ヘッドランプ形状から1984年頃の『タウンエース』だとわかる。実はこのクルマの詳しい資料の持ち合わせがないのだが、カタログはれっきとした左ハンドルで、“明日のワンボックスワゴン”などと説明が書かれている。フロントのライセンスプレートのサイズ、形状から欧州か別のどこかの仕向け地用だったようだが、国内専用のイメージが強いクルマのこうした輸出仕様車のカタログもなかなか新鮮だ。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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