【日産 ルークス 新型】ネーミング変更は市場の変化…マーケティングマネージャー

日産ルークス
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  • ブランド名
  • 軽自動車への期待の変化
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  • 子育て家族の家族観
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日産の軽スーパーハイトワゴン、『デイズルークス』は、フルモデルチェンジに伴い、“デイズ”の名称を外し、新たに『ルークス』としてデビューした。そのネーミングの変更などについてマーケティングマネージャーに話を聞いた。

日産のプレゼンスを強調する

このネーミングの変更について日産日本マーケティング本部マーケティングマネージャーの島村良子さんは、「旧型のデイズルークスの時と市場環境が大きく変わったことと、このモデルをお客様にしっかり認知してもらいたいという思いからだ」と話す。

旧型のデイズルークス時のマーケット状況は、「スーパーハイトワゴンのセグメントよりもデイズが属するハイトワゴンのマーケットボリュームの方が大きかった」という。そこから数年が経過すると、「逆転しスーパーハイトワゴンのマーケットが大きくなり、そこで日産としてもその市場でプレゼンスを出していかなければいけない。そこでデイズというハイトワゴンの冠のまま投入するよりは、デイズの冠を取ってルークスとしてお客様に覚えてもらいたいという思いを込め変更した」と説明した。

趣味レジャーにも使える軽自動車

最近の軽自動車ユーザーが何を期待しているのか。島村さんは、「軽自動車といえば複数台所有の中でサブに使うようなイメージだったが、最近は少し様子が変わり、軽自動車をファーストカーとして使うお客様が少しずつ増えてきている」と述べる。それに伴い市場状況も変化しており、「通勤通学送迎といったいわゆる日常の足グルマ的な使い方から、趣味レジャーにも使うというお客様も増えてきた」と分析。軽自動車への期待の変化軽自動車への期待の変化

そのうえでルークスが属する軽スーパーハイトワゴンのユーザー層のメインは、「子供がいる子育て家族。また子育て卒業家族も比率としては次に多くなっている」と島村さん。そして、「ルークスは子育て家族にフォーカスしてマーケティング活動をしていきたい」と語る

具体的なターゲットは、「子育て家族だが、パパとママ、そして子供は小さい子も含めて二人いるような家族を想定。平日はママが運転してお子様の送り迎えや買い物に使うケースも多いだろうし、週末は家族みんなでパパが運転してバーベキューや日帰りキャンプなどに出かけたいと思っているような方を想定している」という。

家族の絆を深めるために

ここで島村さんはターゲット層の家族観の変化について触れる。最近のトレンドでは大きく2つのポイントがあるとし、「1点目は家族の絆は意識して作るものになっているというところ。2点目は共働き家族が増えて家族全員での時間が減っている点だ」と述べる。子育て家族の家族観子育て家族の家族観

1点目の家族の絆は意識して作るものとはどういうことか。島村さんは、「少し前までは成人して社会人になると、結婚して家族を持つことが当たり前で、家族の絆もあって当然という価値観が一般的であった」という。しかし、最近は変わってきて、「結婚や家族を持つというのは人生にあるたくさんの選択肢の中のひとつであり、そこからあえて結婚や家族を持つことを選択した人たちにとって、家族の絆はあって当然というものではなく、意識して深めていかなければいけないと考えている人が増えてきている」と説明。

「少し前に、ある結婚情報誌のCMがすごく話題になった。その結婚情報誌も結婚を当然視するわけではなく、結婚しなくても今は幸せに生きていけるということを肯定したうえで、あえて結婚することの良さを説いたことがすごく共感され、大きな話題にもなった。家族の絆を意識して深めなければいけないと思っている人は、実は男性だけでなく女性も少しずつ増えてきている。これが最近の家族観だ」とコメント。

2点目は、「共働き家族の増加により家族全員での時間が減少。女性が働きに出ている家庭が増え、共働き世帯が当たり前になってきている中で、子供との時間や家族との時間がなかなか取れない、増やしたいけれども増やせないという家族が増えてきている」という。子育て家族のカーニーズ子育て家族のカーニーズ

そういった子育て家族がクルマに対してどういったニーズを持っているのか。ユーザーの声を聞いたところ、「家族と一緒に出かけたいという思いはすごく強い。しかし実際に出かけようとすると、その直前に子供がぐずり始めてしまうことも多い。その時はそのままクルマに乗り込んで出発するのだが、ぐずる子供を見てパパがだんだんイライラしてきて、そういったイライラするパパを見てママもだんだんイライラしてしまう。そうすると次第にクルマの中の空気が悪くなり、目的地に着く頃にはみんなぐったりしてしまうような声をたくさん聞いた。せっかくお出かけを楽しみたいと思っているのになかなか楽しめないというニーズがあることがわかった」と話す。

そこで新型ルークスが子育て家族のために何が実現できるかをチームの中でディスカッションした。そこで導き出されたのは、「新型ルークスは、目的地までの移動を価値あるものにする。お出かけの楽しさは移動の楽しさで決まる。その移動の時間を楽しむことができればもっと家族の楽しい時間を増やすことができる。新型ルークスはそういった時間をもっと作っていきたいと考えた」と島村さん。ルークスの先進技術で叶えたいニーズルークスの先進技術で叶えたいニーズ

日産インテリジェントモビリティが移動を楽しくする

その要となるのが“日産インテリジェントモビリティ”だ。「先進安全技術があることで移動の時間にもっとゆとりが持てて、家族との触れ合いの時間に変えることができる。その結果として家族との絆をもっと深める時間にすることができるのではないか」とその考えを語る。

例えばプロパイロットを利用することで、「運転に対して心の余裕ができるので、家族とクルマの中で歌を歌いながら運転したり、家族と一緒におしゃべりを楽しみながら運転したり。そういった余裕ももたらしてくれるだろう。そういった先進安全技術がたくさん詰め込まれているので、家族との時間や絆をもっともっと強くすることができる」と島村さんはその思いを話す。そして、「ルークスにはたくさんの先進安全技術や装備が付いているが、そういったものが全て家族の時間のためにあると思っている」と述べた。

そして島村さんは、「先進技術で家族はもっと楽しめる。軽自動車なので毎日の生活や足車として使えれば十分という考え方もある。しかし、日産が出す軽自動車としては先進技術があることでもっとお出かけしてもらいたいし、移動の時間をもっと楽しんでもらえるクルマをお客様にたくさん届けたい」。

さらに、「技術の日産が人生を面白くする。これは日産の思いで、軽自動車でも全く同じで、軽自動車だからここは違うということは決してない。日本のマーケットシェアの4割は軽自動車で占めているが、その軽自動車に乗っているお客様の中で、このルークスはこれから家族として歩み始める人を応援するクルマになりたいと思っている。先進技術で家族はもっと楽しめるというのはそういった思いを込めている」と語った。インテリジェント・アラウンドビュー・モニターインテリジェント・アラウンドビュー・モニター

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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