大阪の南北を結ぶ「なにわ筋線」の建設が正式にスタートへ…開業は2031年度春を予定

なにわ筋線の完成後は同線経由に変更される見通しの『はるか』。
  • なにわ筋線の完成後は同線経由に変更される見通しの『はるか』。
  • 南海の関空アクセス特急『ラピート』。新今宮駅からなにわ筋線へ乗り入れ、大阪市北部の新大阪駅まで乗り入れることが期待されている。
  • 地下化工事中の梅田貨物線。なにわ筋線開業後は新大阪から北梅田で連絡する路線として機能するが、こちらは単独の事業として建設されている。
  • なにわ筋線のJRルートは新大阪~JR難波間を結ぶ。写真はJR難波駅。
  • 大阪駅北側のうめきた開発エリア。地下化工事の一環として新設される北梅田駅はこの付近に設けられる。
  • なにわ筋線の概要。大阪市の南北を現在より短いルートで進み、関西国際空港へ至る。

国土交通省鉄道局都市政策課と同近畿運輸局は7月9日、「なにわ筋線」の鉄道事業許可申請を7月10日付けで許可すると発表した。構想から40年近くが経過して、同線の建設が正式にスタートする。

なにわ筋線は、東海道本線貨物支線(梅田貨物線)上に建設される北梅田駅(大阪市北区、仮称)とJR難波駅(大阪市浪速区)や南海電気鉄道(南海)新今宮駅(大阪市浪速区・西成区)を地下線で結ぶ約7.2kmの路線で、大阪の南北交流促進や関西空港へのアクセス強化などが期待されている。

構想は大阪府と大阪市により1982年2月から挙がっており、1989年5月には運輸大臣(現・国土交通大臣)の諮問機関である運輸政策審議会で策定された「関西圏の鉄道整備基本計画」で、2005年までの整備が適当であるとされていた。

その後は膨大な建設費の問題や、梅田貨物駅跡(いわゆる「うめきた」)の再開発に伴なう駅移転事業の遅れなどから、具体的な開業時期が不透明な状態が続いていたが、2016年8月には梅田貨物線を地下化して新大阪駅と北梅田駅を結ぶ路線が着工。さらに2017年5月には関係する5者(大阪府・大阪市・JR西日本・南海電気鉄道・阪急電鉄)が協力して、なにわ筋線の整備を進めていく方針が発表され、難波付近でJRの列車と南海の列車が合流・分岐するルートが採用されることになった。

申請によると事業期間は2019~2031年度、開業予定は2031年度春とされており、総事業費は約3300億円。途中、中之島・西本町・新難波(いずれも仮称)の3駅が設置される。

大阪府・大阪市・兵庫県・尼崎市、JR西日本などの民間企業による第3セクターの関西高速鉄道が路線の設備などを保有・管理する第3種鉄道事業者、JR西日本と南海が運行を担う第2種鉄道事業者となり、JR西日本の『はるか』、南海の『ラピート』といった空港アクセス特急が、なにわ筋線を通して相互に乗り入れる。

大阪ミナミを拠点としている南海としては、大阪北部へ進出できるメリットがあるが、阪急電鉄(阪急)としても、十三(じゅうそう)駅(大阪市淀川区)と北梅田駅を結ぶ「なにわ筋連絡線」の一体整備が検討されていることから、関西空港アクセスへ進出することが期待できる。

ただし、軌間は阪急が標準軌の1435mmであるのに対して、JR西日本・南海は狭軌の1067mmであることから、同線は狭軌で建設されるとも言われている。

この連絡線については、十三と西梅田を結ぶ類似路線(西梅田・十三連絡線)も検討されており、阪急からの乗入れは流動的な状況となっている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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