◆スペースが限られているトランクに
二階建て構造の特殊なボックスを設置



イントール面で特に苦労したのはトランクへのインストールだった。ハイブリッド車であるLS500hはラゲッジの床下スペースにさまざまなユニットが埋め込まれているため、インストールに利用できるスペースがほとんど無い。しかしトランク内はあくまでも純正ぽく仕上げたいというオーナーの思いが強かったことから、ショップスタッフと相談の上決めたのがこのスタイルだった。
トランクルームの前方に作り付けたボックスは、フロア上にアンプラックを設置し、さらにその上部にサブウーファーのエンクロージャーを載せるという二階建ての独特の形状を採用している。純正トランク内と同様のグレーのカーペットで仕上げ、形状的にも派手さを抑えたデザインとすることでトランク内で主張することなく純正ライクな仕上がりとなったのもオーナーのお気に入り。こうして「純正に近い形ですべてのユニットを収めたい」というオーナーの思いはスマートに完成した。
◆下段のボックスはアンプラックとなり
大量のアンプとプロセッサーをビルトイン



同一デザインの8台のユニットを並べるアンプラック上部のデザインは厚みを出さずに大量のアンプをインストールできる最適なレイアウトでもある。これもオーナーの望んだ大量のユニットをコンパクトに収めるというスタイルにも合致する。スペース効率を最大限引き出したインストールスタイルである点も美しい。
さらによく見るとアンプラックは二重構造になっている。先に紹介したパワーアンプ+安定化電源は上段に、さらに下段にはステートA6 PROが2台インストールされている。左右独立でプロセッサーを備える充実のシステムデザインとしつつ、コンパクトなアンプラック内にそのすべてのユニットを納めているのも見どころ。大量のユニットをコンパクトに収めた凝縮インストールからは工夫の跡が見られる。
◆リアトレーに向けて振動板を設置
薄型エンクロージャーで省スペース化



サブウーファーの振動板は上向きにセットされ、リアトレーを介して車室内に質の高い低音を導入することも狙っている。普段はトランクルームの奥に設置され、振動板はほとんど見ることはできないが、サウンド面で有利なスタイルを貫いたインストールスタイルだ。
省スペースに大量のユニットを収め、サウンド面に妥協することないインストールを完成させた太田さんのLS500h。印象的なトランク内のデザインには他では見られない工夫満載。次回は音にこだわるフロントステージの作り込みを見ていくこととしよう。