鈴鹿8耐、台風12号直撃!名物「逆バンクキャンプ」参加者はそのとき

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逆バンクde 8耐CAMPの避難所となった平田野中学校体育館にて、主催者で元8耐ライダーの浜口喜博氏が即席トークショーを開催
  • 逆バンクde 8耐CAMPの避難所となった平田野中学校体育館にて、主催者で元8耐ライダーの浜口喜博氏が即席トークショーを開催
  • 逆バンクde 8耐CAMPの開催場所では台風12号の影響による倒木も
  • 本来はテントが並ぶエリアだが、今年はバイクのみが並んだ
  • 逆バンクde 8耐CAMPの避難所となった平田野中学校体育館に避難した参加者
  • 逆バンクde 8耐CAMPの避難所となった平田野中学校体育館にて

第41回を迎えた“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレースは7月28日土曜日、異例の進路となった台風12号の直撃を受けた。コースサイドにバイクで入場できるうえ、そのまま土曜日の夜にはキャンプ泊もできることで人気の「逆バンクde 8耐CAMP」の参加者は台風直撃の晩、どのように行動したのか。

27日金曜日13時30分。鈴鹿サーキットから「BASE8耐」など一部8耐関係イベントの中止が発表された。いっぽう逆バンクde 8耐CAMPは、鈴鹿サーキット内に避難場所が確保できたことから、15時には開催を決定。また、今回も400人近い参加者を予定していたため、鈴鹿市役所とサーキット外の避難所開設を協議し、気象警報が出た場合は近くの中学校体育館も避難所として使用することとなった。

28日土曜日午後から29日日曜日未明にかけて、三重県には波浪警報・暴風警報・洪水警報・大雨警報が相次いで発令された。これを受け、逆バンクde 8耐CAMP参加者は安全のために原則、避難所に避難することが決定。鈴鹿サーキット内のボーリング場と鈴鹿市立平田野中学校体育館を利用することになった。

警報が発令されて避難所が使えるようになるまでには役所や関係各所との連携が必要なため、実際には19時30分以降から利用できるようになった。参加者のほとんどはバイクで自走して鈴鹿入りしているため、平田野中学校には各自で移動。20時ごろには混乱もなく大半の参加者が移動を完了した。

平田野中学校体育館は鈴鹿市国府地区の指定避難所になっており、最大1273人の収容を想定している。2014年に移転新築された新しい施設のため、防災避難所として利用するのは今回が初めて。公的な開設であるため、入口には「避難者名簿」の記載台が設けられた。また、施設内は禁煙・禁酒とされた。

「特別な場所で、ライダーの皆さんに特別な体験をして欲しい」という主催者で元8耐ライダーの浜口喜博氏の願いで9年前から始まった逆バンクde 8耐CAMP。「これまで大きなトラブルもなく、ライダーの皆さんにマナーよく8耐CAMPを利用してもらえたからこそ、鈴鹿市にも信用してもらえた」と浜口氏は言う。

中にはこの日、逆バンクにキャンプした強者もいて、風でテントが倒壊したりバイクが倒れたり、また倒木もあったが、人的被害はゼロだった。

今回は避難勧告や避難指示は発令されていなかったため、一般市民に向けて避難所開設はアナウンスされなかった。しかし、全国で唯一「モータースポーツ都市宣言」をし、年に何度も数万人単位で全国から人が集まる鈴鹿市において、今回の避難所開設がイベント時の防災対策として良き前例となったのは間違いない。

《小林ゆき》

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