スバル車でクラリオンの新機軸オーディオシステムが選択可能に…その利点

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  • 左から、スバル用品(株)開発・品証本部 開発部 担当副部長 阿左美健一さん、(株)SUBARU 部品用品本部 アクセサリー企画部 企画推進グループ 前田怜也さん、同・林洋子さん。
  • スバル用品(株)開発・品証本部 開発部 担当副部長 阿左美健一さん。
  • (株)SUBARU 部品用品本部 アクセサリー企画部 企画推進グループ 前田怜也さん。
  • (株)SUBARU 部品用品本部 アクセサリー企画部 企画推進グループ 林洋子さん。
  • 右から、クラリオン(株) スマートコックピット開発本部 統合HMI技術開発部 ソフトウェア設計1グループ 上原正吉さん、同・桑山千尋さん.。
2018年初頭より、"SUBARU・WRX S4/STI"と"SUBARU・レヴォーグ"のディーラーオプションに、"Clarion"の新機軸ナビゲーションとカーオーディオシステムが新展開されている。今これが追加となった理由と、これによってもたらされる利点とは何なのか…。

それを知るべく、群馬県太田市にある"SUBARU"の群馬製作所本工場を訪ね、スバル用品(株)開発・品証本部 開発部 担当副部長 阿左美健一さん、(株)SUBARU 部品用品本部 アクセサリー企画部 企画推進グループ 前田怜也さん、同・林洋子さん、さらにはクラリオン(株) スマートコックピット開発本部 統合HMI技術開発部 ソフトウェア設計1グループ 上原正吉さん、同・桑山千尋さんにもご同席いただき、じっくりとお話を訊いてきた。


■独特で革新的な特長を携えたナビゲーション&カーオーディオシステム

始めに、今回新たに"SUBARU"のディーラーオプションとして新登場している"Clarion"の新機軸ナビゲーションと、ナビゲーション+カーオーディオシステムのプロフィールを紹介しておこう。ナビゲーションは、『Quad View(TM)ナビ(税込価格:17万4960円)』。カーオーディオシステムは『Full Digital Sound SPIRIT』で、『フロントスピーカーセット(税込価格:15万3360円)』、さらに追加で『リヤスピーカーセット(税込価格:5万8320円)』も選べる。

『Quad View ナビ』は、同時に4つの情報(ナビゲーション、オーディオ、ツール、アプリケーション)を1つの画面内に表示できるというスペシャリティを有し、表示方法も計9タイプ(均等4分割表示、メインエリアを約6型とする4分割表示、それぞれのフル画面表示)の中から、スムーズに自在に選択可能だ。

さらには、「8型のディスプレイが高精細であること(1280×720ドットの高精細HDディスプレイを搭載)」、「ナビゲーション本体でハイレゾ音源を再生できること」、そして「原音再生を極めた革新のカーオーディオシステム、『Full Digital Sound SPIRIT』を追加できること」といったストロングポイントも持っている。

そして『Full Digital Sound SPIRIT』は、デジタル音源をアナログ信号に変換せずに、デジタルのままダイレクトにスピーカーへの入力を可能とし、高音質で原音に忠実なサウンドを実現することが最大の特長だ。結果、当システムならではの高音質を実現できている。なお、現在この仕組みをカーオーディオで成立できているのは、世の中を見渡しても"Clarion"だけだ。


■"SUBARU"は1990年代前半から、"良い音"を提供するための活動を開始していた…。

ところで"SUBARU"というと、ナビゲーションやカーオーディオのディーラーオプションが充実しているメーカー、という印象がある。とりわけ、カーオーディオシステムの選択肢の多さは他の追随を許さない。今回、高音質システムとして定評のある『Full Digital Sound SPIRIT』が選択可能となったことでもそれを証明しているわけだが、このように音へのこだわりが発揮されている、その背景を訊いてみた。

阿左美氏「"SUBARU"では長く、お客様に"良い音"を提供したいと考えてきました。本格的に取り組み始めたのは、2代目"レガシィ"(1993年発売)からです。自動車メーカーが用意するカーオーディオシステムは音が良くないというイメージを打ち破るべく、低音から高音までの広帯域再生だけでなく、音像の定位感と臨場感を徹底チューニングした“高音質カーオーディオシステム”をメーカーオプションとして設定しました。

これが思っていた以上にご好評をいただけました。“良い音”へのこだわりとその取り組みが間違っていないことを確信でき、以後“SUBARU”のオーディオの音造りの考え方として継続しております。

ところで、実は"Clarion"さんとのお付き合いもそのころからになるんですよ。"Clarion"さんは当時、高級Hi-Fiカーオーディオブランドである"McIntosh"を取り扱っていて、3代目"レガシィ"のメーカーオプションから長きに渡って設定させていただいてきました」

なお、2代目"レガシィ"から初代"McIntosh"までの"SUBARU"車のメーカーオプションオーディオの音決めを担ってきたのが阿左美さんであり(阿左美さんは現在、ディーラーオプションオーディオの音決めを担っている)、"Clarion"側でそれを担当してきたのが上原さんだ。両氏の付き合いはすでに約25年に及んでいるという(上原さんは、『Full Digital Sound SPIRIT』開発の陣頭指揮を執ってきた人物でもある)。


■メーカーオプションからディーラーオプションへとシフトさせる中でも、音へのこだわりは継続。

さて、"SUBARU"がディーラーオプションのカーオーディオシステムに力を入れ始めたのはいつなのだろうか。

前田氏「ディーラーオプションが充実してきたのは、2010年くらいからです。まず、ディーラーオプションはメーカーオプションと比べて、お客様にとってのメリットが大きいんです。ラインナップは、車載機器メーカーさんの製品を専用オプション品として設定することで構成されていきます。各社さんとも毎年新製品を出されますので、お客様に常に最新モデルをご提供できるんです。

そしてディーラーオプションを充実させる中でも、音へのこだわりは継続させてきました。お客様がクルマの中で、運転以外では何をしている時間が長いのかと考えると、音楽を聴いている時間だと思うんです。なので、"良い音"への需要は高いはずだと考えて、現在もカーオーディオシステムの選択肢を拡充させ続けているんです。

ただし、原則的にはスピーカーシステムだけという設定はありません。まずはナビゲーションを選んでいただいて、音にこだわりたい方にはそこに各社のプレミアムオーディオシステムを付け加えていただく、という形を取らせていただいています」

阿左美氏「クルマの中で"良い音"を得ようと思ったとき、スピーカーを換えただけでは得られる効果が限定的です。ナビゲーションとスピーカーの相乗効果で、サウンドチューニング機能も活用して、"良い音"を実現させようと当社では考えているんです」


■『Quad View ナビ』が誕生したことが、採用のきっかけとなった。

核心に迫っていこう。今回、"Clarion"のモデルがディーラーオプションとして採用された理由とは…。

前田氏「"Clarion"さんがフルデジタルのカーオーディオシステムを開発されたことは以前から知っていました。しかし、対応するナビゲーションが存在しておらず、取り扱いしにくかったんです。ところが昨年『Quad View ナビ』が登場し、導入のチャンスが来たなと思いました。

そして、"SUBARU"車用にチューニングされたテスト車両の音を"Clarion"さんから聴かせてもらえる機会が、その後割と早い段階で訪れました。想像以上のサウンドでしたね。澄んだきれいな音が聴けました。通常の純正スピーカーの音とは違いが明確でしたから、お客様にも分かっていただきやすいと感じました。

"フルデジタル"であることも魅力です。"SUBARU"車オーナーの方々は、クルマに対してさまざまなこだわりをお持ちです。他とは一緒ではないというところも重要視される傾向が強いです。"Clarion" さんのカーオーディオシステムは、そのような思いにも応えられる製品です」

林氏「『Quad View ナビ』には使いやすいというメリットもあります。『Quad View ナビ』では、常にすべての要素を画面に表示できますから、行いたい操作にすんなりと進むことができます。理にかなっていると思います」


■「運転を邪魔しないことが"良い音"の条件。定位感のシャープさ、奥行き感の深さがポイント」

『Quad View ナビ』+『Full Digital Sound SPIRIT』の音について、さらに詳しくお訊きした。

阿左美氏「ドライバーにとって"良い音"とは、運転の邪魔にならず疲れない音だと考えています。そうであるためには、"音像の定位感"がキーポイントになります。ボーカルや楽器などサウンドステージがぼやけていると、運転にも集中しにくく疲れます。しかしピントがビシッと合うと、気持ち良く運転できるんです。そして"奥行き感"も大事ですね。音がドライバーに近過ぎると、運転への集中力を削ぎかねません。しかし広がり感や奥行感など適度な距離感があると、運転を邪魔しないんですよ。『Quad View ナビ』+『Full Digital Sound SPIRIT』では、それらをハイレベルに実現できています」

上原氏「『Full Digital Sound SPIRIT』のチューニング能力をもってすれば、阿左美さんのご期待に応えることは難しいことではありませんでした。

ただし、低音の表現には少々苦心しました。今回はサブウーファーの設定がないので、ドアのスピーカーだけが低音再生の担い手になるわけで、どうしても負担は大きくなります。そしてドアのスピーカーで低音を出し過ぎると、通常ならば鉄板がすぐにビビり始めます。

でも"SUBARU"車のドア内部は、そもそも音響的なコンディションが比較的整っているんですよ。音にこだわってきた歴史が長いので、ノウハウが積み重ねられていると思います。なので最終的には、しっかりと低音を出せました。また、スピーカー設計においても、"SUBARU"車専用チューニングを施してあります。それも奏功して、自信の持てる音に仕上げられました」


■「"Clarion"のカーオーディオシステムがあれば、長距離ドライブをさらに快適に楽しめる」

さて、最後に『Quad View ナビ』+『Full Digital Sound SPIRIT』を、どのようなユーザーにお薦めしたいのかをお訊きした。

前田氏「"レヴォーグ"は特に、40代以上の方に選んでいただくことの多いクルマですが、そのくらいの年代の方々の中にはかつてのホームオーディオブームを経験された方が多く、音への関心も高い傾向があります。しかしご自宅では"良い音"が楽しみにくくもなっていて、せめてクルマの中では好きな音楽を“良い音”で聴きたい、そう考える方も少なくありません。『Quad View ナビ』+『Full Digital Sound SPIRIT』なら、そういった方々の期待を裏切ることはないはずです」

阿左美氏「"SUBARU"では、"長距離ドライブを、安全に、疲れることなく楽しんでいただこう"という思いもクルマ作りに込めてきました。それを実現させるためには"良い音"は欠かせないと思うんです。『Quad View ナビ』+『Full Digital Sound SPIRIT』はまさしく、その実現をサポートしてくれるものだと感じています。おすすめ度は高いです」

今回の取材を通して、"SUBARU"が音を大切にしているカーメーカーであることを強く認識できた。そして、試聴をして感じた『Quad View ナビ』+『Full Digital Sound SPIRIT』の音が良い理由も腑に落ちた。『SUBARU・WRX S4/STI』または『SUBARU・レヴォーグ』を自分のものとしようと考えている方は、『Quad View ナビ』&『Full Digital Sound SPIRIT』にもご注目を。これを検討する価値は高い。

"SUBARU"車で"Clarion"の新機軸オーディオシステムが選択可能に! その利点とは…。

《太田祥三》

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