【カワサキ Ninja400 試乗】再び400ccクラスの起爆剤となるか…佐川健太郎

モーターサイクル 新型車
カワサキ Ninja400
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来春から国内発売が決定しているカワサキの新型『Ninja400』の「海外仕様モデル」に先行試乗する機会を得た。

新型Ninja400は同時に開発が進められた新型『Ninja250』とプラットフォームを共有化した兄弟車だ。大柄でスポーツツアラー的だった従来モデルに比べると、今回のフルチェンジにより贅肉を削ぎ落したシャープでスポーティなスタイリングへと大変身を遂げた。

新型Ninja250と共通の鋼管トレリスフレームに新設計の水冷4スト並列2気筒DOHC 4バルブ398ccを搭載し、最高出力は250から6psアップの45psを実現。これは海外仕様だが、ちなみに先日発表された国内仕様はさらにパワフルな48psとアナウンスされている。

車重は168kgと250のわずか1kg増であり、従来モデルの207kgからは約40kgの大幅な軽量化を実現。また、タイヤも250のバイアスに対し、400はラジアル設定としサイズも140から150にワイド化されるなど強化されている。

250と400の見た目の違いといったら車名ロゴとマフラーが少し長いぐらいか。なので、排気量で格上を自慢したい人にはちょっと地味に感じるかも。ところが走り出すと排気量の違いは歴然だ。トルクがあるのでクラッチのつなぎも楽だし、低速域からぐんぐん前に出ていく力強さがある。特にコーナーの立ち上がりや登りのセクションでは加速力が250とは明らかに違う。

ハンドリングもナチュラルかつ俊敏で、250と共通の車体であるにもかかわらずパワー負けすることなく安定している。逆に高トルクを生かしてスロットルのオン&オフによる姿勢変化を作りやすく、トラクションで曲げていく感覚がつかみやすい。タイヤも250に比べるとワンサイズ太い150サイズでかつラジアル仕様のためか、コーナリングでのグリップ感も鮮明だった。ちなみにブレーキも扱いやすくサーキットレベルでも性能的に問題ないし、アシスト&スリッパークラッチとABSのおかげでフルブレーキングからのシフトダウンにもだいぶ余裕が持てた。

また、市街地では車体が軽くて低速トルクもある分ストップ&ゴーも楽だし、トルクに余裕があるため半クラも扱いやすく、スロー走行やUターンもしやすいなどストリートでも排気量のメリットが生かされる場面が多い。というように、トータルバランス的にも400はよく作り込まれていると思う。

400は車両価格や車検などの面で250よりコストはかかるが、それを補って余りあるメリットもある。最近は選択肢が少なくなってしまった同クラスにおいて、Ninja400が再び起爆剤になることを期待したい。
■5つ星評価
パワーソース:★★★★★
ハンドリング:★★★★★
扱いやすさ:★★★★★
快適性:★★★★
オススメ度:★★★★★

佐川健太郎|モーターサイクルジャーナリスト
早稲田大学教育学部卒業後、出版・販促コンサルタント会社を経て独立。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。(株)モト・マニアックス代表。バイク動画ジャーナル『MOTOCOM』編集長。日本交通心理学会員。MFJ公認インストラクター。

《佐川健太郎》

佐川健太郎

早稲田大学教育学部卒業後、出版・販促コンサルタント会社を経て独立。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。メーカーやディーラーのアドバイザーも務める。(株)モト・マニアックス代表。「Yahoo!ニュース個人」オーサー。日本交通心理学会員。MFJ公認インストラクター。

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