富山から山口までICカードのエリア統合…JR西日本「ICOCA」大幅拡大へ

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2018年夏のICカード導入エリア(赤)。各エリアの「またがり利用」もできるようになる。
  • 2018年夏のICカード導入エリア(赤)。各エリアの「またがり利用」もできるようになる。
  • 北陸本線の武生駅。2018年夏にICOCAが導入される。
  • 湖西線・北陸本線の近江塩津駅。近畿圏エリアのICOCA導入駅だが、石川エリア方面への「またがり利用」もできるようになる。
  • IRいしかわ鉄道線(写真)とあいの風とやま鉄道線が含まれる場合は現在と同じ範囲でしか利用できない。
JR西日本は10月18日、同社が展開している交通系ICカード「ICOCA」の利用エリアを大幅に拡大すると発表した。現在できない各エリア相互間の「またがり利用」もできるようにする。

新たにICOCAが導入されるのは、山陽本線の相生~和気間4駅と赤穂線の播州赤穂~長船間9駅、北陸本線大聖寺~近江塩津間19駅。いずれも2018年夏の導入が予定されている。これにより、ICOCAの近畿圏エリアと石川エリアがつながるほか、近畿圏エリアと岡山・広島・山陰・香川(JR四国)エリアもつながる。

エリア拡大に先立ち、ICOCA各エリアをまたがって交通系ICカードを利用できるようにする。大阪(近畿圏エリア)~岡山(岡山エリア)間や米原(近畿圏エリア)~金沢(石川エリア)間なども、1枚のICカードで一度に乗車できるようになる。

■「またがり利用」は原則200km以内

「またがり利用」の導入に伴い、ICOCAエリアは東の越中宮崎駅(あいの風とやま鉄道線、富山県朝日町)から西の南岩国駅(山陽本線、山口県岩国市)まで、事実上一つ統合される。越中宮崎~南岩国間の営業距離は、あいの風とやま鉄道線・IRいしかわ鉄道線・北陸本線・湖西線・東海道本線・山陽本線経由で764.6kmという長距離だ。

実際は「またがり利用」の導入にあわせて距離制限なども実施されるため、1枚のICカードで一度に乗車できる区間はもっと短くなる。営業距離ベースでは、原則として200km以内の区間でしか利用できない。また、利用区間に第三セクター鉄道のIRいしかわ鉄道線とあいの風とやま鉄道線が含まれる場合、利用できる範囲は現在と同じ越中宮崎~大聖寺間と高岡~新高岡間だけになる。

ただし、例外規定が一部に設けられる。大阪近郊区間内の各駅相互間は現在と同様、200kmを超えても利用できる。米原~相生間の営業距離は219.1kmだが、米原・相生両駅はどちらも大阪近郊区間内にあるため、ICカードで利用できる。

また、「北陸方面(金沢以西)」「白浜・新宮方面」「米子・出雲市方面」のそれぞれの在来線特急列車の停車駅相互間であれば、200kmを超えて利用できる。大阪~金沢間267.6kmや新大阪~新宮間276.8km、岡山~出雲市間220.7kmは、いずれも在来線特急が停車する駅間の利用となるため、ICカードで乗車できる。ただし、倉敷~金沢間など他方面の在来線特急列車停車駅の相互間となる場合はICカードを利用できない。

このほか、大阪近郊区間内の駅から「北陸方面(金沢以西)」「白浜・新宮方面」の在来線特急列車停車駅までの区間でも、距離制限は適用されない。尼崎駅は大阪近郊区間内、新宮駅は「白浜・新宮方面」の特急停車駅のため、尼崎~白浜間をICカードで乗車することができる。

JR西日本広報部によると、エリア統合によるシステムの改修が難しいことや、実際に200kmを超えて利用する人はそれほど多くないとの考えから、利用距離の制限を設けることにしたという。
《草町義和》

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